富士山の森から国立競技場へおもてなし!
2022年01月23日掲載
私たちの富士山で育った森林認証材が国立競技場で使われています。
東京2020オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる国立競技場は、木と緑に溢れる「杜(もり)のスタジアム」をコンセプトに掲げ、外装材として多くの木材が用いられています。
コンクリートや鋼鉄とは異なり、木の温もりが感じられる柔らかい印象の建築物です。
富士山で育まれた森林認証材を使った国立競技場が世界中のアスリートたちのおもてなしに貢献できることは、富士宮市として大変名誉なことです。
国立競技場の観客席を覆う大屋根
国立競技場を断面的にみて驚くことが、長さ62mに達する片持ち形式の屋根架構です。この架構は、トラスは2本の上弦材と下弦材で立体的に連結するラチス材で構成されています。鉄骨部材に集成材で挟み込む鋼材と木材のハイブリット構造を採用し、108通りのトラスにより日本らしさの屋根に仕上がっています。
これらの材料確保のため、全国から7ルートの流通があった様で、富士山ルートとして森林認証材を提供しました。
外観から確認できる軒庇(のきひさし)
軒庇は、47都道府県から選定された森林認証材を使用し、それらを方位に応じてスタジアム全周に配置します。北側から南側にかけて、北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州・沖縄地方の木材を使用しています。
中部地方静岡県の木材として、富士宮市の富士山で育った森林認証材は、Gゲート青山門の周辺に使われ2階は柱番号E19から22、3階はE25から27、4階はE32からN3で確認できます。
チームが団結して富士山ルートとして出荷
富士山ルートを構成するメンバーは、株式会社マルダイ・富士市・富士宮市です。
各構成メンバーがそれぞれの役割である「森林管理→搬出→製材→加工」を担い、「森林認証材という信頼と安心」のバトンをつないで国立競技場まで走りきりました。同様に、全国各地で仕法をこらして、希望と平和の聖火を国立競技場まで送り届けた東京2020聖火リレーのようです。
富士宮市は、富士山で育ったスギの森林認証材は、太さ末口径22cm以上、長さ4m、本数約280本、材積80立米を供給しました。
山から伐りだされた原木は集成材のラミナ材として製材します。国立競技場に使われたラミナ材は富士山ルートで約4,100枚出荷しました。
富士宮市では、富士山の環境と景観に配慮した森林整備を進め、持続可能な森林経営に務めています。その結果、2016年2月に単独で国際基準であるSGEC-PEFC森林管理認証を取得し、2018年10月に「富士山森林認証グループ」に参画しています。
森林認証材は新たな需要拡大へのパスポートです。これまでに「富士山世界遺産センター」にヒノキ森林認証材、そして「国立競技場」にスギ森林認証材を供給するなど、後世に残る建築物に利用されています。
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産業振興部 農業政策課 林業係
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