列状間伐
2018年08月08日掲載
列状間伐は、全国に先駆けて列状間伐(3残1伐)のモデル林として、富士宮市山宮地先の市有林大根野48haを整備しました。
第1期として1999年から2002年までの間、列状間伐を実施し、第2期目として2013年に将来木施業中層間伐・複層林施業樹下植栽を行い、森林のもつ公益性、経済性、景観等配慮した森林整備を進めています。
このモデル林に県内外から視察依頼があり、台湾省COP10代表メンバー(2010年10月22日)・米国オレゴン州ルイス&クラーク大学(2014年8月11日)の視察(大歓迎!)も受け入れています。
列状間伐
高性能林業機械により、低コストで高能率的に間伐ができる方法です。3列を残して1列を間伐する「3残1伐」や「4残1伐」など、森林の状況により選択します。
メリット
- 間伐する列を機械的に決めるため、選木の経費が節減される。
- 植裁列に対して間伐するため、伐倒時に「かかり木」が無くなり、早く、 安全に作業が出来る。
- 見通しが良く、集材作業の際に安全確認が行い易い。
- 風害による被害が少ない。
- 複層林、混交林施業が可能。
デメリット
- 機械的に伐る列を決めてしまうので優良木を伐ってしまう。
- 反対に残す植裁列に不良木が残ってしまう。
間伐で森の二酸化炭素吸収量が16%増!
地球温暖化対策に対し、日本は「京都議定書」によりCO2の排出量を6%減(そのうち2/3は森林に頼る)の目標を揚げと世界に約束し、2008年から2012年に8.4%と目標を達成ています。今後は、COP21で採択された『パリ協定』において更なる目標をたてたことにより森林の重要性を認識します。森林を間伐することによりCO2の吸収量が最大約30%、平均で16%増加すると言われています。列状間伐はこの最大に近い効果があります。作業についても低コスト、高能率を考えるとまさに地球に優しい時代にマッチした工法です。
将来木施業中層間伐
第2期目の次回の間伐時期は、林木の樹冠が閉鎖して、林木相互の競争が生じ始めた時、林齢にもよりますが10年から15年後に行います。
残った3列の中で10本のうち将来木を2本決め、その木に影響を与えている生産性のある太い木を伐ります。林業業界では将来木施業中層間伐と言われています。中層間伐選木の写真中で、左側の白テープが将来木で、巻いている黄色テープが間伐木です。3列の中で将来木を決めるため、悩むことなく選木が可能です。
複層林施業樹下植裁
複層林は一つの山で複数の林齢をもつ森林で、上層木を伐採しても下層木が残るため、裸地にならずに水源涵養や土砂流失を継続的に防ぐメリットがあります。市では一部の箇所を試験的に第1期目で列状間伐(3残1伐)し、第2期目に隣列を列状間伐(2残1伐)し、その空間列にヒノキやケヤキを植裁し、複層林整備を実施しています。通常の複層林は上層木の開いている空間にランダムに下層木を植裁するため、上層木の間伐の時に下層木を痛める可能性がありますが、この問題が軽減されます。
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産業振興部 農業政策課 林業係
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