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令和5年度 施政方針

2023年02月08日掲載

令和5年度の施政方針を掲載しています。

1 はじめに

 令和5年度の一般会計予算をはじめとする予算関係議案の御審議をお願いするに当たりまして、私の市政運営の基本的姿勢と重点施策を申し上げます。

 昨年は、長引く円安やロシアのウクライナ侵攻等を起因とする原油価格や物価の高騰、また、夏には新型コロナウイルスのオミクロン株の大流行による医療現場のひっ迫など、市政運営においてはこれまで以上に厳しい舵取りの1年でした。
 そのような中でも、富士宮市は、市制施行80周年を迎え、新型コロナウイルスの感染拡大防止に最大限の対策を講じるとともに、市民の生活や経済の停滞がないようプレミアム付き商品券の発行をはじめとする経済対策にも十分配慮する中で、様々な記念事業やイベントを開催することができました。
 振り返りますと、市民の皆様と共に、この記念すべき本市の80周年を大いに盛り上げることができ、徐々に賑わいや明るさを取り戻した1年でもありました。

 新型コロナウイルス感染症につきましては、国内で初めて感染が確認されてから丸3年が経過する中、国では、本年5月には、感染症法上の位置付けを「2類相当」から「5類」に引き下げることを表明しました。
 しかしながら、静岡県では、1月13日から2月10日までを期間とする「医療ひっ迫防止対策強化宣言」を発令し、新型コロナウイルス感染症の感染抑制を呼び掛けるなど、未だ、全国各地において終わりが見えない状況が続いております。
 この冬は、インフルエンザとの同時流行も懸念される中、市民の皆様には、日頃から感染の拡大防止に御協力いただいていることに、心から感謝申し上げます。
 市といたしましても、市民の皆様が安心して生活できるよう、引き続き、感染拡大防止に向けて最善の努力をしてまいります。

 さて、本年6月には、富士山が世界文化遺産に登録されてから10周年を迎えます。
 平成25年6月22日、カンボジアのプノンペンで開催され ましたユネスコの世界遺産委員会における登録決定の時の市民ホールでの歓喜が、つい昨日のことのように思い出されます。
 富士山の世界文化遺産登録は、富士宮市の転換期となり、この10年で富士宮市は大きく変わりました。
 私は、「信仰の対象と芸術の源泉」として、富士山が世界文化遺産に登録されてから10周年の節目の年を、市民の皆様と共に迎えられることに大きな喜びを感じています。

 富士山は、多くの歌人にも影響を与え、歴史に残る歌が数多く詠まれています。
 ここで、富士山にまつわる三つの歌を御紹介させていただきます。
 一つ目は、万葉集の中の高橋虫麻呂の歌、
「日の本の 大和の国の鎮めとも います神かも 宝ともなれる山かも 駿河なる 富士の高嶺は 見れど飽かぬかも」
 二つ目は、富士山百人一首にも掲載された旧清水市出身の北原白秋の弟子である野村 清氏の歌、
「日本(にっぽん)の 哲学であり 神である 大富士の山 をろがむわれは」
 三つ目は、富士宮市の歌人 竹内和子氏の歌、
「これの世に 名立たる山は沢にあれど 富士は我が山 ふるさとの山」
 これら三つの歌は、いずれも富士山を讃え誇りに思う日本人の心の歌です。

 あらためて市民の皆様と共に、富士山の偉大さを再認識し、富士山の恵みに感謝し、「いつまでも 富士山を世界遺産に」の想いを共有してまいりたいと思います。
 富士宮市は、富士山の恵みを生かすことで発展したまちであります。
 富士山は、世界の宝でもあることから、この国際的な知名度、文化的な価値を更に生かし、これからも元気に輝く富士宮市を目標に、着実に歩みを進めていきたいと考えております。
 そして、令和5年度は、第5次富士宮市総合計画後期基本計画の2年目の年となります。
 平成28年度を初年度とする第5次富士宮市総合計画も折り返し地点を過ぎたことから、令和7年度のゴールに向かって次の一歩を力強く踏み出し、将来都市像「富士山の 恵みを活かした 元気に輝く国際文化都市」の実現に向けて、取組を一層加速させなければならない年と考えております。
 厳しいコロナ禍にあっても、人々の生活や行動には新たなスタイルも生まれ、富士宮市の魅力を生かせる明るい兆しも見えてきています。
 新型コロナウイルスとの共存、また、かつてない急激な物価高騰など、非常に厳しい社会情勢の中ではございますが、令和5年度においても、市民が心豊かに暮らせるまちづくりを目指して、広い視野と高い志を持って市政運営に邁進してまいります。

2 市政運営の基本的姿勢

 それでは、令和5年度の市政運営の基本的姿勢について申し上げます。
 我が国の経済は、ウィズコロナの新たな段階への移行が進められる中、景気の持ち直しが期待されるものの、世界的な金融引き締めが続く中での海外景気の下振れリスクや物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に注視する必要があります。

 政府は、国民生活と事業活動を守り抜くとともに、景気の下振れリスクに先手を打ち、我が国の経済を民需主導の持続的な成長経路に乗せていくため、経済対策を迅速に実行し、「成長と分配の好循環」の実現を目指すとしています。
 令和5年度の国の予算編成における基本方針では、足元の物価高を克服しつつ、人への投資、科学技術・イノベーション、スタートアップ、脱炭素に向けた「GX(グリーントランスフォーメーション)」、デジタル社会を目指す「DX(デジタルトランスフォーメーション)」といった成長分野への大胆な投資、少子化対策・子ども政策の充実を含む包摂社会の実現等に計画的で大胆な重点投資を推進するとしております。

 そうした状況の中、本市においては、国の動向を注視し、情報収集に努め、適宜適切に対応する中で、少子化対策や子育て支援策の充実、脱炭素社会の実現に向けた取組の強化、自治体DXの推進など、重要施策についても積極的に取り組み、市民の命と生活を守りながら、感染拡大防止と社会経済活動の活性化の両立を図ってまいります。
 それでは、以下、第5次富士宮市総合計画にあります三つの重点取組に沿って、令和5年度重点施策の大要を申し上げます。

3 令和5年度重点施策

 第5次富士宮市総合計画では、将来都市像に相応しい魅力溢れるまちづくりを進めるために、総力を挙げて取り組むべきテーマを「三つの重点取組」として掲げております。
特に、コロナ禍において、婚姻件数・出生数が激減するなど、少子化は危機的な状況にあることから、働く場、遊ぶ場の確保をはじめとする少子化対策・子育て支援策について、施策の充実を図ってまいります。
 それでは、令和5年度における「三つの重点取組」について、具体的に申し上げます。

 まずは、重点取組1「恵み豊かな未来づくり ~世界遺産のまちづくり~」について申し上げます。

 はじめに、「世界遺産のまちづくりプロジェクト」についてであります。
 静岡県富士山世界遺産センターや富士山本宮浅間大社周辺の中心市街地の整備については、世界遺産“富士山のあるまち”に恥じない美しく品格のあるまちづくり、象徴性のあるまちづくりを進めてまいります。
 そのためのキーワードが、「清流の美」、「空間の美」、「庭園の美」であり、「誇りの持てる品格のあるまち」であります。
 まちなかについては、富士山の雪解け水が滾々(こんこん)と湧く湧玉池を源流とする清流神田川の両岸を、富士山の門前町として    相応(ふさわ)しい品格のある庭園風とする整備を行ってまいります。
 このまちづくりは、単年度では果たし得ない大事業であり、市民の皆様の協力なくしてはできない富士宮市の大変革となるもので、忍耐と根気が必要です。
 整備の具現化に向けて、用地交渉を継続するとともに、令和5年度は、令和4年度末までに一部取得する予定の土地について、暫定整備を行います。
 さらに、宮町交番跡地の神田川沿いについては、川を見ながら楽しんで歩けるような整備を行ってまいります。
各構成資産の整備については、白糸ノ滝エリアにおいて、白糸ノ滝整備基本計画に基づく整備を進め、富士山眺望を確保するため、樹林帯を整備し、清流の美しい景観を生かした音止の滝と富士山が同時に眺望できる展望場の設置などを行います。
 村山浅間神社においては、階段の積み直し整備を行います。
 そのほか、大鹿窪遺跡の整備については、我が国の縄文草創期の貴重な史跡公園として、引き続き整備を進めてまいります。
 富士山の玄関口である富士宮駅前広場及びその周辺施設については、景観とユニバーサルデザインに配慮した快適で機能的な空間とするため、施設整備に向けた実施設計を行うとともに、利用者の安全・安心のための防災対策として、ペデストリアンデッキの耐震補強工事に着手します。
 また、北口タクシー乗り場には、エレベーターを設置します。
 美しい花いっぱいの町づくり事業については、地域の花壇づくりへの支援を継続するとともに、多くの方が訪れる静岡県富士山世界遺産センター周辺や商店街地区において、花いっぱいの演出により、潤いと安らぎの空間づくりを引き続き実施します。
 商店街活性化の推進については、商店街が主催するイベントなどへの助成や商店街の空き店舗等への出店者に対する創業の支援を引き続き実施し、中心商店街の活性化を図ります。

 次に、「世界に飛躍する国際文化都市プロジェクト」についてであります。
 観光については、コロナ禍からの回復を確実なものとするため、国内外において本市の観光の強みである自然・文化の魅力を伝えるべく、誘客活動を積極的に行います。
 スポーツにおいては、スペイン空手ナショナルチームの事前合宿の時期に合わせて、スポーツ交流を実施してまいります。
国際化の取組については、四つの提携都市との都市交流をはじめ、中学生の英語圏派遣や栄州市中学生交流研修、高校生中国派遣研修などの友好都市への派遣、教職員の英語圏での研修を実施します。

 次に、「富士山後世継承プロジェクト」についてであります。
 世界遺産登録10周年をお祝いする記念事業といたしましては、6月の世界遺産登録記念祭、11月の富士山世界遺産サミット、2月の世界遺産コンサートなどをはじめとする様々な催しを予定しております。
 また、令和4年度に引き続き、大宮村山登山道や観光スポットのVRコンテンツを作成し、世界遺産の魅力を国内外に発信します。
 無電柱化の推進につきましては、無電柱化推進計画に沿って、粟倉外神線の電線地中化に向けた予備設計を行います。
 県道富士富士宮線の静岡県富士山世界遺産センター周辺については、県と連携し、令和5年度中の無電柱化を目指します。
 なお、(仮称)郷土史博物館につきましては、博物館の必要性や基本構想について、市民の皆様に御理解いただけるよう、引き続き説明してまいります。

 次に、「自然環境と共生した持続可能なまちづくりプロジェクト」についてであります。
 ゼロカーボンシティの推進に向けて、再生可能エネルギーの導入促進とエネルギーの地産地消、省エネルギー対策などを進めるとともに、小水力発電日本一のまちの継続にも努めてまいります。
 具体的には、創エネ・蓄エネ機器設置費等補助金を拡充し、各家庭や事業所への太陽光発電設備、蓄電池、電気自動車等の導入を支援するほか、公共施設の一部において、環境にやさしいカーボンニュートラルLPガスを導入します。
 また、引き続き、環境教育や地域循環共生圏推進協議会の運営を支援するなど、再生可能エネルギーの導入促進及び地球温暖化防止に向けて取り組みます。
 そのほか、市立保育所及び小・中学校のLED化を推進するため、LED導入可能性調査を実施します。
 ごみのリサイクルでは、令和6年度から開始する予定のプラスチックごみの分別収集に向けて、説明会の開催など、市民に周知・啓発を行います。
 さらに、乾燥化が進む小田貫湿原の湿原環境を保全していくため、調査結果に基づき、乾燥化防止対策を実施します。

 次に、重点取組2「いきいき元気な未来づくり ~安全・安心なまちづくり~」について申し上げます。

 まずは、「元気はつらつ健康長寿プロジェクト」についてであります。
 健康づくりについては、各種がん検診などを積極的に周知し、市民がいつまでも健康長寿でいられるよう努めるほか、自転車に触れる機会を提供し、自転車を活用した健康づくりにも取り組みます。
 地域医療に対する取組については、救急医療センターの安定的運営を確保するほか、二次救急医療機関の医療機器整備に対する助成を行います。
 また、住み慣れた地域で安心して生活できるようにするため、生活支援体制整備事業については、生活支援コーディネーターを配置し、地域づくり活動の様々な担い手が集まり、協議することで、地域課題の解決に取り組みます。
 スポーツによる健康づくりと人々の交流機会の創出に向けては、体育施設整備として、ストック適正化計画に基づき、令和4年度の山宮ふじざくら球技場人工芝等整備工事に続いて、令和5年度は、外神スポーツ広場の夜間照明設置工事に着手します。

 次に、「災害に負けない強靱なまちづくりプロジェクト」についてであります。
 災害時における避難、そして避難後の生活における支援を行うための計画を策定し、支援体制を整備してまいります。
 令和5年度は、避難行動要支援者名簿の整備に向けて、名簿情報の提供について要支援者の同意確認を行います。
 富士山噴火に対応した防災計画の見直しについては、富士山 火山防災対策協議会において改定される富士山火山の避難計画に基づき、富士宮市富士山火山避難計画及びハザードマップの改定を行います。
 防災DXの推進については、令和5年3月末に導入予定の無人航空機(ドローン)及び情報共有システムを運用し、災害時の迅速な意思決定に活用します。
 多様な災害に対する公共施設やインフラの強靱化につきましては、公共施設の耐震補強工事や交通ネットワークの整備、安全で快適な道路整備に、継続して取り組んでまいります。
 具体的には、芝川中学校校舎改築工事や富士宮第一中学校屋内運動場耐震補強工事、市民文化会館リニューアル工事の実施設計や東小学校校舎改築に向けた基本設計及び実施設計、中央図書館1階床改修工事を実施します。
 インフラ整備につきましては、都市計画道路田中青木線の整備、岳南北部地区幹線道路整備を進めます。
 県道清水富士宮線及び県道三沢富士宮線の整備については、県等の関係機関へ強く要望し、一日も早い完成を目指すとともに、国道469号や新広域道路交通計画に位置付けられた富士富士宮道路の整備促進についても、国道に隣接する市町と連携して、国・県等の関係機関へ強く要望してまいります。
 そのほか、災害に対応した都市づくりを推進するため、災害のリスク情報や都市の現状を整理した結果を踏まえ、防災都市づくり推進計画策定に向けたデータ分析調査を実施します。
 また、現在使用を停止している旧芝川中央公民館については、老朽化が著しいことから解体撤去し、消防団第6方面隊の訓練場及び消防団第27分団詰所駐車場などに活用します。
 さらに、市街地の浸水被害の軽減と区域内の安全を図るため、公共下水道事業認可区域の雨水対策として、淀師地区の管渠新設工事に向けた内水浸水想定区域図を作成します。

 次に、「地域コミュニティ充実プロジェクト」についてであります。
 富士根地区の交流センター整備につきましては、令和7年度中の開館を目指し、土地取得のための最終的な手続と工事に向けた準備を行います。
 公共交通に関しては、令和4年度に引き続き、芝富地区及び稲子地区で宮タクのエリア拡大の実証実験を行い、地域の生活交通における更なる利便性の向上を図ります。
 多文化共生社会の実現につきましては、誰もが安心して住み 続けることができるコミュニティの充実を図るため、「やさしい日本語」講座を行うとともに、外国人向け「日本語教室」を開催します。

 次に、重点取組3「誰もが輝く未来づくり ~人口減少を克服するまちづくり~」について申し上げます。

 まずは、「結婚・出産・子育ての希望実現プロジェクト」についてであります。
 誰もが身近で楽しく過ごせる場所、安全・安心に楽しめる身近な憩いの場を市内の至る所に創出するため、公園の整備と大型遊具の設置を進めます。
 具体的には、山本高原公園の新設と大型遊具の設置、明星山公園の整備に向けた測量、黒田北公園整備に向けた基本設計を実施します。
 また、芝川スポーツ広場にも大型遊具を設置するほか、白糸自然公園には、消防救急車両の展示広場を設置します。
 そのほか、結婚に伴う新生活のスタートを支援する補助では、令和5年度から、補助を受けるための所得要件を緩和し、結婚に対する経済的不安の解消と機運醸成のための支援策の強化を図ります。
 不妊・不育症治療にかかる医療費については、助成を継続し、妊娠・出産・子育ての切れ目のない支援に努めます。
また、令和4年度に国がスタートさせた出産・子育て応援事業につきましては、妊娠期から出産・子育てまで一貫した伴走型相談支援と経済的支援を一体として実施し、安心して出産・子育てができる環境整備に努めます。
 子育て支援といたしましては、大宮保育園内において、新たに病児保育が開始できるよう整備を進めるとともに、産後の体調や子育ての不安などにより保健指導が必要な母子に対する産後ケア事業において、助産師の家庭訪問による支援を行います。
 そのほか、令和5年2月定例会の補正予算に前倒しする形で予算計上いたしました本市独自の子育て支援策である子育て世帯応援給付金事業につきましては、物価高騰に苦しむ子育て世帯の生活を支援するため、予算を令和5年度に繰り越して、0歳から18歳までの子ども一人当たり1万円の給付を早急に実施します。

 次に、「女性が輝く、さくや姫プロジェクト」についてであります。
 女性の活躍推進については、女性応援会議で広く意見を聴き、地域の実状に即した女性の活躍を応援するための施策を進めるとともに、ふじのみやベビーステーション事業の充実及び認知 拡大に向けた取組を行うなど、事業者等とも連携して推進してまいります。
 さらに、社会における女性活躍の機運醸成を図るための講演会やセミナー等を開催し、女性のスキルアップに対する支援を行います。
男女共同参画の推進については、令和5年3月に、県がパートナーシップ宣誓制度を導入することから、本市といたしましても、県との連携を強化するとともに、性別に関わりなく個性や能力が尊重され、誰もが自分らしく生きられる社会を目指し、ジェンダー平等やLGBTQに関する啓発を行います。

 次に、「ここで働き、ここに住むプロジェクト」についてであります。
 中小企業等への支援策といたしましては、富士宮商工会議所、芝川商工会、富士宮信用金庫及び富士宮市の4者の組織連携による多面的な総合相談窓口である「ビジネスコネクトふじのみや」による支援を、引き続き充実してまいります。
 企業誘致・留置への取組としましては、人口減少社会への対応や更なる産業基盤の強化に向けて、地域産業の活性化や雇用の場を確保するため、優良企業の新規進出、事業拡大を継続して支援するとともに、「ひと」、「しごと」を呼び込むための民間による工業団地造成に向けた取組、サテライトオフィスの誘致を行います。
 そのほか、UIJターンを促進するため、これまで高校3年生のみに配布していた企業ガイドブックを高校生の全学年に配布し、市内事業所の魅力を発信します。
 さらに、新たな採用活動の一つとして、WEBを活用した首都圏の学生と地域の企業をつなぐオンラインインターンシップを実施し、若者が地元に戻ってくる「人の流れ」を創出します。
 移住・定住に向けた取組といたしましては、移住希望者のニーズに合った情報を効果的に発信するため、本市での暮らしを地域の魅力として伝えるファンページを既存のポータルサイトに追加し、移住者の増加を図ります。

 次に、「みんながつながる関係人口創出プロジェクト」についてであります。
 まずは、関係人口の創出に向けた首都圏シティセールス推進事業について、首都圏に住む人が抱く本市のイメージをより良好なものとするため、ターゲットやテーマを絞った効果的な情報発信を行います。
 さらに、地域おこし協力隊の活動による地域間の交流を通じて、地域の活性化や関係人口の創出、移住定住環境の充実を図ります。
ふじのみや寄附金事業につきましては、ふるさと納税の募集及び市外の寄附者に返礼品の提供を行い、まちの魅力を効果的に発信するとともに、官民連携による地域課題の解決と地方創生のより一層の推進に向けて、企業版ふるさと納税制度の積極的な活用を図ります。
情報発信推進事業については、引き続き市民や団体、企業などと連携して、まちの魅力発信に取り組みます。

 次に、「人口減少に打ち克つスマート自治体プロジェクト」についてであります。
 市民サービスの向上につながる取組につきましては、既存の電子申請システムにデジタル窓口と電子認証機能を追加するとともに、電子申請に伴うオンライン決済の種類を追加するなど、行政手続のオンライン化を推進します。
さらに、市民公開型地図情報システムを導入し、市の保有する地理空間情報をインターネット上で公開することで、市民や事業者の利便性の向上を図ります。

 最後に、財政運営についてであります。
 本市では、これまで、積極性と健全性が両立したメリハリのある財政運営に努めるとともに、将来負担に配慮した本市独自の財政規律を設定し、持続可能な財政運営の確立を目指して取り 組んできた結果、財政の健全性を示す指標である「実質赤字比率」、「連結実質赤字比率」、「実質公債費比率」、「将来負担比率」は全て適正な水準を維持しています。
 また、財政調整基金をはじめとする各種基金につきましても、決算剰余金を活用した計画的な積立てを行っており、今後の財政需要や市債償還等に対応する財政基盤の強化にも努めております。
 しかし、コロナ禍の長期化や原油価格や物価の高騰が続く中で、市税についてはコロナ禍前の状況に戻りつつあるものの、不確実性が高く、今後の推移に注視していく必要があります。
 令和5年度は、第5次富士宮市総合計画後期基本計画の2年目の年となり、総合計画の総仕上げに向けて、大切な二歩目を力強く踏み出す年でもあることから、本市が目指す将来都市像の実現に向けて、様々な事業を積極的に推進していかなければなりません。
 今後の財政運営につきましては、急速な少子高齢化の進行や人口減少への対応、公共施設やインフラの老朽化対策、デジタル化の推進に伴う経費増加など課題はありますが、今後とも、財政の健全性に配慮しつつ、事務事業の見直しにより経常的経費の増加を最小限に抑え、限られた財源を効率的かつ効果的に活用していくとともに、中長期的な視野に立った財政運営を行ってまいります。

 私の市政運営に対する理念は、「富国有徳の理想郷ふじのくにづくり」の実践であります。
 豊かな生活を送ることができる活力ある元気なまち、優しさと思いやりを大切にするまちとなるよう、「住んでよし 訪れてよし」、「生んでよし 育ててよし」、「学んでよし 働いてよし」、「出会ってよし 結ばれてよし」を合言葉に、令和5年度も引き続き、市民の皆様の幸せを願い、全力で市政運営に取り組んでまいります。

4 おわりに

 今、地方行政の運営において、「少子化」、「高齢化」、「人口減少」の急激な進行が大きな課題となっています。
 本市も、決して例外ではありません。
 今できること、今やらなければならないことは何か。
 それは、今まさに、「次に来る旅人のために 泉を清く保て」であろうと思っております。
 それは、「富士山SDGs」の実現であり、「ゼロカーボンシティ」の構築であります。
 私は、そのようなことを常日頃考えています。

 いつの時代も、この地に住む人々を富士山が見守ってくれました。
 美しさもありながら、時には厳しく、そして凛として、私たちの精神的な支柱となる存在であると思います。
 私は、富士山の麓、富士宮市に住むことに誇りを持ち、今も、そして次の時代も富士山に見守られながら、孔子の言った「近きもの説(よろこ)び 遠きもの来(きた)る」の理想郷を目指して、優しさと思いやりに満ちた人で溢れている、そんなまちの姿を思い描いています。
 人が、まちを創ります。
 それぞれが自分ごととして、少しずつ、また、できることを行動していく、そんな積み重ねが大きな力となって、今抱えて いる課題の解決、次の時代への継承、そして発展につながっていくと信じています。
 今こそ、市民が一丸となって、夢を持ち、理想を掲げ、まちづくりに挑んでいこうではありませんか。

 本年は、干支で言えば癸卯の年であります。
 「癸」は、静かで温かい大地を潤す恵みの水を表していると ともに、十干の最後に当たることから、次の新たな生命が成長し始める状態を意味しています。
 「卯」は、穏やかなうさぎの様子から、安全、温和の意味とうさぎのように跳ね上がるという意味があります。
 「癸」と「卯」の組み合わせから、これまでの努力が実を結び、勢いよく成長し、飛躍するような年になると考えられます。

 まさに、令和5年度は、市制施行80周年を迎えた富士宮市が、次の90周年、100周年に向けて更に飛躍を遂げるため、新たな歩みを始める年となります。
 私は、「まだまだ このまちの為にやり残した事がある」、「まだまだ このまちは必ず良くなる」、「まだまだ このまちを更なる 意気込みで良くしたい」との思いと情熱は、誰にも負けないと自負しております。
 「一歩 一歩 又一歩」
 この言葉は、富士山本宮浅間大社青年会創立10周年の記念品の手ぬぐいに認められた当時の宮司であった故佐藤 東先生の言葉です。
 私は、何事にも通じる、とても深みのある言葉だと思いました。
 富士山の頂上を目指すにも、まずは最初の一歩から歩み出さ なければ前へ進めません。何事も、一朝一夕にはいきません。
 辛抱強く、粘り強く、そして一歩一歩真心を尽くして、遠大な事業に取り組んでいきたいと思います。
 そして、富士山のあるまちの市長として、自ら先頭に立ち、市民の皆様と共に、更なる市政発展のため、力強く市政運営に邁進してまいります。

終わりに、市民の皆様、そして議員各位の御理解と御支援をお願い申し上げ、令和5年度の施政方針といたします。

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