ここからサイトの主なメニューです
ここからページの本文です

令和5年度第2回総合教育会議

2024年03月06日掲載

富士宮市教育委員会では、令和6年1月25日に令和5年度第2回総合教育会議を実施しました。

令和5年度第2回総合教育会議

はじめに、現在の英語教育を確認するために小学6年生の英語の授業見学を行いました。
その後、学校教育課から富士宮市の英語教育の現状や外国語ハンドブックの活用方法について、市民交流課から現在、市で実施している中高生対象の国際交流事業について説明がありました。
市長と教育長、教育委員の協議の中で、外国語ハンドブックの周知やALTの概要、児童の学習度合いの差を授業でどのように埋めていくか等について質問がありました。

議事録

開会

市長挨拶

(教育総務課長)
 初めに、総合教育会議の主催者であります須藤秀忠富士宮市長から御挨拶をお願いいたします。

(市長)
 皆さん、おはようございます。教育委員の皆様方には、日頃からこどもたちの教育の充実及び青少年の健全育成につきまして、多大なる御尽力をいただいておりますことに心より感謝を申し上げます。
 さて、総合教育会議は、皆様御承知のとおり、教育施策の方向性を共有するため協議調整を行うものでございます。本市の教育の課題及び目指す姿を共有しながら、連携して効果的に教育行政を推進してまいりたいと考えております。
 本会議が教育行政のさらなる充実、発展に寄与することを期待いたしまして、開会に当たりましての挨拶とさせていただきます。よろしくお願いします。

事前説明

(教育総務課長)
 本日の議題は、富士宮市における英語教育について及び富士宮市の国際交流事業についてであります。
 最初に、英語の授業を30分程度御見学いただき、その後事務局からの説明とさせていただきます。
それでは、上野小学校長より事前説明をいたします。

(上野小学校長)
 皆様、こんにちは。本日、須藤市長、池谷教育長をはじめ、教育行政に携わる多くの皆様に御来校いただきまして、学校としても大変うれしく思っております。私からは、上野小学校の外国語教育の2つの特徴について簡単に御説明させていただきます。
 1つ目は、外国語専科教員、つまり外国語を専門に教える教員の配置についてです。本校では、外国語専科の教員が配置をされております。この後、学校教育課のほうで詳しく説明してくださいますが、この教諭は、平成30年から令和元年にかけて行われました文部科学省の外国語指定研修に富丘小の教員として参画しました。令和元年度には、富士宮市の主催する教職員海外派遣事業としてイギリスのほうで1か月間、外国語の研修を積んでおります。また、今日、授業で使われます外国語ハンドブックについて、令和4年度の改訂にも参画しております。富士宮の外国語教育についてとてもよく理解している教員の一人です。
 この教諭は、上野小学校では3年生から6年生までの全ての外国語の授業を行っております。本校以外にも北山小学校、山宮小学校の2校でも外国語の授業を行っておりまして、3校を兼務しております。先ほども午前中、北山小学校で授業を行って、こちらのほうへ駆けつけてきまして、こちらで授業をやった後、午後は山宮小のほうへ行って授業をやるというようなスケジュールになっています。
 この教諭が行う授業は、こどもたちからも非常に好評でして、学期ごとに外国語の成果を確かめるためのこどもたちのアンケートを行っているのですが、授業を受けている児童が3校で334名いまして、全員が外国語の授業が楽しいと答えており、非常にすばらしい成果を上げております。また、上野小学校のこどもたちは上野中学校へ進学するのですけれども、上野中学校でも1年生の最初からオールイングリッシュの授業ができるということで、大変好評を得ております。私も時々授業に参観させてもらうのですが、こどもたちは非常に生き生きと外国語の授業に取り組んでおります。今日もそんな姿を御覧いただけると思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 2つ目の特徴なのですけれども、外国語の学習環境の整備に取り組んでまいりました。本校では、1人1台端末の導入でパソコン教室が使われなくなったということもあり、それを外国語教室、イングリッシュルームとして模様替えをいたしました。パソコンやタブレットをつなげるプロジェクター、スクリーンを常設しまして、ICTを介した授業がいつもできるようにしております。また、外国語を書く4線のホワイトボードとポスター、カード類も充実させまして、こどもたちが外国語を身近に感じて意欲的に学べる環境を整えております。今日の授業もイングリッシュルームで行います。学習環境についてもぜひ御覧いただきたいと思います。
 最後に、今回の総合教育会議を迎えるに当たりまして、私も外国語ハンドブックを読み返しました。その中で、巻頭に市長の言葉が載っていらっしゃいます。その中で本紙を活用し、情報活用能力、発進力などの新しい時代に求められる資質、能力を育んでいくことを期待していますと書かれています。この後の授業参観を通しまして、私たちの教育実践が先ほどの市長の御期待に応えているのか、また富士宮市が掲げる富士山の恵みを生かした元気に輝く国際都市づくりに貢献できるようなこどもたちの育成につながっているのか、これからの市の外国語教育の指標となるような、そんな御意見と御指導をお願いいたしまして、挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、授業見学になりますので、よろしくお願いします。

議事

(市長)
 それでは、次第に基づきまして議事を進行いたします。
 「富士宮市における英語教育について」、事務局からの説明を求めます。お願いします。

(学校教育課職員)
 私からは、富士宮市内の英語教育について説明させていただきます。よろしくお願いいたします。先ほど御覧になっていただいたように、近年ではコミュニケーション能力の育成を大切にした英語の授業が多く実践されています。文法を優先して学習する授業から、コミュニケーション能力の育成に力を入れた授業が展開されることで、こどもたちが楽しそうに英語を話す姿や、生き生きと参加するこどもたちの姿が多く見られます。
 それでは、実際にどのようにコミュニケーション能力の育成に向けた指導を行っているかについて説明させていただきます。初めに、学習指導要領に示されている英語教育についてです。現在小学校では3、4年生で外国語活動を週に1時間、年間35時間、小学校5、6年生になると外国語科英語と活動から教科となり、週に2時間、年間70時間の学習をし、評価も行います。中学校になると、週に4時間、年間140時間の学習を行います。
 小学校3、4年生の外国語活動では、日常生活に関する事柄を扱い、英語によるコミュニケーション活動を楽しみながら、日本語との音声の違い等に気づいたり、英語の音声や基本的な表現に慣れ親しんだりすることを目標としています。
 小学校5、6年生では教科となります。コミュニケーション能力の育成をするための技能といたしまして、話すこと、聞くことに加えて、読むことと書くことが追加されます。
 中学校では、聞くこと、読むこと、話すこと、書くことの言語活動を通して、簡単な情報や考えを理解したり、表現したり、伝え合ったりするなど、より実践的なコミュニケーション能力の育成を目指します。また、環境問題やSDGsなど社会的な問題も取り上げながら、話すことや書くことを通して表現したり、伝え合ったりできるようにしています。本市においても、小中学校のつながりを意識した英語教育を推進しているところです。
 それでは、次に、富士宮市の英語教育のこれまでの取組について、大きく2点に分けて説明させていただきます。平成30年度、令和元年度、児童生徒の発信力強化のための英語指導力の向上をテーマとした、文部科学省指定学習指導研究を富丘小学校と富士宮第四中学校が受け、児童生徒の英語の発信力強化につながる指導力向上についての先進的な研究に取り組みました。この研究では、小中学校が連携をして取り組みました。小学校では、外国人留学生に富士宮市のお勧めスポットを英語で紹介するために、外国語ハンドブックを参考にしながら紹介文を作成する活動に取り組みました。中学校では、オリンピックの事前合宿で来日するスペイン空手チームに富士宮市を楽しんでもらう企画書を英語で作成し、送付したりするなど、相手意識を大切にしたコミュニケーション活動の実現に力を入れました。
 児童生徒の表現力や発信力を高める手だてといたしまして、小学校ではスモールトークを、中学校では1 Minute Conversationを開発し、取り組みました。先ほど参観いただいた授業の冒頭に、児童同士が昨日をテーマに食べたものや行った場所について、簡単なやり取りをしている場面を御覧いただきましたが、これが小学校で取り組んでスモールトークの活動となります。小学校から簡単な語句や基本的な表現を用いて身近な事柄について自分の考えや気持ちなどを話す活動を重ね、中学校では社会的な話題を含む様々な話題をテーマに、母国語で話しているかのように自然な会話を1分間ペアで続けるのが1 Minute Conversationの活動です。短時間のやり取りを継続して行うことで表現力が向上しました。
 本研究の成果といたしましては、現在、市内小中学校の多くの児童生徒たちが必要感を持って英語を学ぶことや、積極的に英語を使うことができるようになりました。また、英語が好きになり、外国に興味を持つこどもが増えました。そして、この研究は、市内全ての教職員が参加する市内全体研修会外国語科が中心となり、全ての小中学校に広められ、どの学校でも富丘小学校や富士宮第四中学校のようなコミュニケーション重視の授業が多く見られるようになりました。
 現在では、外国語ハンドブックやICTを活用して、英語によるコミュニケーション力を高める実践がされています。また、ICTの活用により、海外の中学生との交流が容易になり、児童生徒にとってより海外が身近なものとなり、必要感のある学習が可能となりました。
 次に、外国語ハンドブックについて説明させていただきます。外国語ハンドブックは、平成29年度に作成されました。このハンドブックは、富士宮市の紹介ができるような仕立てとなっているため、外国の人と話をしてみたいという児童の思いを実現するとともに、児童に情報活用能力や発信力を育成する一助となっています。毎年、小学3年生のときに配布され、活用されています。その後、活用方法の周知や修正を重ね、令和4年度に改訂版が作成されました。皆さんのお手元にあるオレンジのものが改訂版となります。
 それでは、ハンドブックの18ページを御覧ください。内容といたしましては、各項目の1、2ページには道案内で使える地図と、そのスポットで使える言葉を写真つきで掲載しています。児童たちは、言葉で伝えるだけでなく、ハンドブックを指で指しながら活用することもでき、コミュニケーションを取ることに特化したハンドブックとなっています。
 次に、ハンドブックの20ページ、21ページを御覧ください。各項目の3、4ページには、観光スポットを3文から4文程度で説明をしたり、外国人観光客から質問される形での対話をしたりできるようになっています。児童たちは、この例文を活用して、富士宮市のよさを説明文や対話を通して伝えることができます。
 次に、ハンドブックの22、23ページを御覧ください。各項目の5、6ページには、同じ内容の中国語版と韓国語版が掲載され、中国語や韓国語でも簡単なコミュニケーションが取れるように作られています。令和4年度の改訂版では、これまでの内容の修正だけでなく、新たに静岡県富士山世界遺産センターと特産物である富士宮やきそばなどについてのページを加えました。児童たちにとって、より身近なテーマで対話ができるように作成いたしました。
 本日の授業では、3つのヒントを基に外国語ハンドブックからお気に入りの場所を探すクイズ活動に使われていましたが、各学校からは外国語ハンドブックを参考に、学校の近くにある観光スポットなどをオリジナルハンドブックとして作成したり、中学1年生の最初の言語活動に活用したりと、小学校はもちろん、中学校でも活用が進んでいると報告を受けています。また、この後、市民交流課より説明があるニュージーランドや栄州市に派遣された生徒が現地のこどもたちとコミュニケーションを図る際にも活用され、やり取りができていると聞いています。
 富士根北中では、生徒が村山ニンジンについてのオリジナル外国語ハンドブックを作成しました。外国語ハンドブックの成果として、児童生徒たちは英語を使って外国人観光客と対話をしてみたいと意欲を持つことができ、実際に紹介することで達成感を感じることができています。今後、一層のハンドブックの活用が充実し、児童生徒がコミュニケーション能力を育むことができるように励んでまいります。
 最後に、このような外国語教育を支える富士宮市の指導者について説明します。現在、富士宮市では、5人のALTを活用しています。ALTは月に2、3回程度各学校を巡回し、先ほどの授業のようにALTとの授業者の対話を聞いて学んだり、ALTと対話しながらネイティブの英語に触れたりと、実践的なやり取りをこどもたちができるようになるよさがあります。
 また、県の英語教育充実の教員加配措置といたしまして、令和5年度は小学校高学年を対象とした英語専科教員5名が配置されています。この専科教員は、中学校英語免許状を有する専門性の高い教職員であるため、授業では英語があふれ、児童が積極的に英語でコミュニケーションを図る機会が多く設定された質の高い授業を実践しています。先ほど説明がありましたように、本日参観された授業も専科教員によるものです。さらに本市には、小学校英語指導資格LETSを認定された教員が21名います。このLETSは、県教育委員会が認定するもので、各小学校の英語教育の推進を担当しています。
 また、本市の教職員の英語の指導力向上を図るため、平成29年度より小中学校教職員海外研修事業を実施していただいております。毎年2、3名の教職員を3週間程度イギリスに派遣し、言語学校で世界基準の英語教授法を学ぶとともに、ホームステイをしながら生きて使える英語を学ぶ機会となっています。私も平成30年度に参加させていただき、様々な国籍のクラスメートと研修を深めることができました。この海外研修を経験した教職員は、市内の英語教育を推進する指導員、研究員や小学校専科教員として、研修で学んだことを生かして授業力向上に努めています。また、先ほど紹介させていただいた外国語ハンドブックの作成や検証にも委員として関わるなど、市内の英語教育の牽引役となって活躍しております。
 以上、富士宮市の英語教育の取組について説明させていただきました。このような取組の成果といたしましては、小学校の児童に対するアンケート、生活の中で英語を使っている回答の数字にも表れるように、児童にとって英語が身の回りにあるものになってきていることが挙げられます。さらには、毎年9月に中学生を対象に行われる英語弁論大会では、令和4年度、5年度と本市の代表生徒が2名、東部大会を勝ち残り、県大会に出場するなど、輝かしい成績を残しています。
 一方、課題といたしまして、外国語の運用能力を測る基準CEFRのレベルについて説明させていただきます。このCEFRは、国際社会で活躍するために必要な外国語運用能力を表す国際基準となっています。文部科学省は、中学校3年生までの内容を身につけたレベルをAとして、それに達する生徒の割合を国は50%を目標に設定しています。令和4年度、国の結果は49%なのに対し、本市は41%と国の目標値よりも低い水準にあります。しかしながら、本市の結果を令和元年度から比較すると、国よりも上昇率は高く、令和元年度から9%上昇しています。また、国との差も令和元年度に比べると縮小してきていることが分かります。引き続き英語運用能力の向上に努めてまいります。
 以上、富士宮市の英語教育について説明させていただきましたが、グローバル化が進む未来を生きるこどもたちにとって、英語によるコミュニケーション能力をつけることは必須だと思います。そのため、本場の英語に触れる経験に勝るものはないと思います。この後説明がある、市の事業のニュージーランドや栄州市のホームステイ、留学などの経験が、児童生徒の英語力の向上、その意欲の向上に確実につながっていると思います。今後、富士宮のこどもたちが、富士宮市を世界に発信していけるよう、コミュニケーション能力の育成を大切に英語教育の充実に努めてまいります。

(市長)
 ありがとうございました。それでは、続きまして「富士宮市の国際交流事業について」、事務局からの説明を求めます。

(市民交流課職員)
 それでは、富士宮市の国際交流事業についてということで、国際交流を担当しております市民交流課から説明させていただきます。
 それでは、富士宮市の国際交流事業についてという資料を御覧いただきながら説明を聞いていただければと思います。本日は、主に中学生、高校生を対象にした国際交流事業について説明をさせていただきます。
 まず、前段として、富士宮市では、姉妹友好都市を4つの都市と提携しております。まず、姉妹都市について、アメリカのサンタモニカ市と姉妹都市提携を結んでおります。続きまして、友好都市について、中国の紹興市、韓国の栄州市、それから台湾の台南市の3都市と友好都市提携を結んでおります。参考までに、ホストタウン交流としてスペインの空手道連盟とも交流があります。こちらはスポーツ振興課が担当となっております。
 それでは、まず中学生対象の国際交流事業について説明をさせていただきます。初めに、先ほど学校教育課の説明にも出てきましたとおり、富士宮市栄州市中学生交流研修事業ということで栄州市との交流事業になりますけれども、こちら中学生の派遣受入れを隔年で行っております。今年度につきましては、10月5日から9日まで、市内中学生を栄州市に派遣いたしました。
 まず、この事業の経緯、経過ですけれども、2012年に1回目の派遣を行いました。それ以降、今年度までに派遣を5回、受入れを3回実施しております。続きまして、参加人員ですけれども、市内公立中学校の2年生を対象としております。各校で1名または2名を選出していただいております。こちら2年生の数が150人未満の中学校は1名、150人以上の中学校は2名ということで定めさせていただいております。
 続きまして、この事業に参加していただくに当たりまして、参加家庭への市の補助になりますけれども、参加費用の2分の1を補助、ただし就学支援制度適用家庭またはそれに準ずる家庭状況と認められる場合は参加費用の全額を補助いたします。
 続きまして、事業内容として、韓国に5日間の滞在を基本としております。5日間滞在をしまして、栄州市の中学生との交流、それから栄州市伝統文化の体験、栄州市内のイベントへの参加、史跡見学等を行っております。今年度につきましては、栄州市に訪問した際に栄光女子中学校という中学校に訪問をしまして、中学生全校生徒に歓迎をしていただいたり、それから授業体験、栄光中学校の生徒と一緒に栄州市内の史跡を見学するといった経験をしました。
 韓国では、若い世代が英語を話すことができる人がとても多いです。そのため、学生同士の交流においても英語を用いたコミュニケーションが基本となってきます。実際、今回の訪問でも、基本的には英語を使って学生同士は交流をしておりました。現地では、富士宮の学生と栄光女子中学校の学生がペアを組んで一緒に行動するような形になっていたのですけれども、基本的には英語を使いながらコミュニケーションを取って、身ぶり手ぶりを交えながら頑張って学習の成果を発揮しているような姿を見ることができました。
 続きまして、世界に羽ばたくこどもたち育成事業ということになります。こちら、目的としましては異文化交流や異文化体験、それから語学力の向上を図るということで、市内在住の中学生を海外英語圏に派遣する事業となっております。こちら派遣先につきましては、旅行社のほうから企画の提案をいただきまして、派遣先を決定しておりますが、令和5年度はニュージーランドに派遣をしました。また、平成29年度から事業を実施していますけれども、これまで派遣先は、毎回ニュージーランドになっております。
 経緯、経過ですけれども、2017年に1回目の派遣を行い、今年度までに4回派遣を行っております。続きまして、参加人員ですけれども、市内在住中学生30人を公募しております。今年度ですけれども、今年度につきましては2019年度以来の事業実施ということもあったと思うのですけれども、56人から応募がありました。56人から応募がありまして、30人をニュージーランドに10日間派遣させていただきました。
 こちら、参加家庭への市の補助ですけれども、先ほどの栄州の中学生の派遣事業と同じく、参加費用の2分の1を補助、ただし就学支援制度適用家庭、またはこれに準ずる家庭状況と認められる場合は参加費用の全額を補助させていただいております。
 事業内容ですけれども、10日間の派遣としております。滞在中ですけれども、基本的には現地の家庭にホームステイをして過ごすこととなります。また、現地の学校での授業参観、それから現地の文化体験、史跡見学等を行っております。実際に、今年度栄州市への派遣、それから世界に羽ばたくこどもたち育成事業、ニュージーランドへの派遣を行いまして、参加学生からは実際に英語を使ってみて、これまで勉強していた英語が通じてうれしかった、もっと英語を勉強して、さらにコミュニケーションを取れるようになりたいといった声ですとか、逆に思ったようにコミュニケーションが取れなくて悔しかった、もっと語学力を向上させたいといった感想がとても多かったです。いずれにせよ、参加者の意欲を向上させる結果となっていると思われます。
 また、文化の違いに驚く生徒がとても多かったように見受けられます。中学生ですので、中には初めて海外に行く学生も非常に多かったです。今まで当たり前に住んでいた日本とは本当に異なる文化が広がっていて、それに驚く生徒が非常に多かったように見受けられました。また、海外に行くことで、日本や富士宮のいいところ、そういったところを再発見できることにもつながるかなと思います。やっぱり日本は暮らしやすい国だなという感想を持った生徒もいらっしゃいましたし、そういったところで日本や富士宮のいいところを再発見する、そういったことにもつながっております。
 続きまして、高校生対象の国際交流事業についてということで説明をさせていただきます。まず初めに、高校生交換学生事業ということで、姉妹都市のサンタモニカ市との交流事業になっております。経緯、経過ですけれども、1980年から実施されている事業となりまして、令和5年度で37回目の実施ということになっております。ここまでに富士宮市の学生116名が参加をしている、とても歴史のある事業となっております。参加人員ですけれども、市内在住または市内高校に通っている高校生3名程度を公募しております。市民交流課が事務局である富士宮国際姉妹都市協会というサンタモニカとの交流を推進している協会が実施している事業になりますので、事業の実施に当たりましては参加者には協会から補助をさせていただいておりますが、航空運賃の2分の1程度を補助することになっております。
 事業内容ですけれども、参加者がサンタモニカ市と富士宮市でそれぞれの学生がペアを組みます。ペアを組んで、両市に10日間ずつの滞在いたします。その間は、ペアの自宅にホームステイをしながら過ごします。滞在中は、ペアやその家族とともに、ふだんの暮らしを体験したり、滞在している家庭に観光名所等に連れて行っていただいたりしています。また、富士宮市滞在中は、逆に富士宮の名所や日本の名所をサンタモニカの学生に紹介をしてあげたり、日本の暮らしを味わっていただき、協会主催で市長への表敬訪問や市内観光、ウエルカムパーティー等を行っております。
 次のページを御覧ください。続きまして、Pen Pal事業ということで、こちらも富士宮国際姉妹都市協会が主催をする事業となっております。こちらサンタモニカ高校の日本語クラスの学生と富士宮市内の中高生でペアをこちらも作成して、手紙交換を行う事業となっております。経緯、経過ですけれども、コロナ禍で直接的な交流ができなくなった時期がありました令和2年度ですけれども、実際に交流ができない中、何とか交流の機会を持ってもらえないかということで考えまして、富士宮市の学生は外国の文化であるクリスマスカードを書くといったところ、それからサンタモニカ市の学生は日本の文化である年賀状を作成してもらって、それを富士宮市国際姉妹都市協会が集計しまして、サンタモニカ市に送ると。サンタモニカ市からも年賀状が送られてくるといったことで手紙交換をしていただきました。
 令和2年度以降、令和3年度からはPen Pal、文通事業としまして、同じ方法で手紙交換を行っています。こちらは、一つきっかけづくりのような事業として、1度手紙を交換したら、それ以降は各自で自由に手紙を交換していただいたり、また手紙の中に自分のメールアドレスなどを記載して交流していただくことも狙いとしております。
 参加人員ですけれども、令和5年度、本年度の実績ですけれども、富士宮市については富士宮西高から121人、富士宮北高から24人、星陵中からは68人、サンタモニカ高校からは152人が参加をしております。こちら人数が少し違いますけれども、2人が1人に書いてもらうといったところで対応しておりますけれども、こちら年々参加していただける高校生、中学生も増えておりまして、各学校から非常に好評な事業となっております。
 最後に、富士宮市未来を担う高校生人材育成事業ということになりますけれども、こちら国際社会における客観的視点を養い、国際競争力を主にした国際理解、意識を醸成することを目的に、市内在住高校生を産業文化等の発展が著しい海外都市に派遣する事業ということになります。こちら今年度、2か月後の3月に実施をする予定になりますけれども、今年度はベトナムに市内高校生を派遣いたします。
 こちらの経緯、経過ですけれども、もともとは友好都市である中国の紹興市ですとか、その付近の都市を見学し、上記の目的を達成する高校生中国派遣事業として、令和元年度から実施予定でした。しかし、令和元年度の3月に実施をする予定でしたが、ちょうど新型コロナウイルス感染症が蔓延をし始めた時期でして、今年度まで実施をすることができておりませんでした。今年度に入りまして、外務省のほうから中国への滞在、渡航に対して注意喚起が出されました。それに伴いまして、中国派遣事業ということは一回も実施できていなかったのですけれども、方針を変えまして、産業文化等の発展が著しい海外都市に高校生を派遣するということで事業を実施する予定になっております。
 参加人員は市内在住高校1、2年生15名程度を公募しておりますが、今年度は15名から応募がありまして、15名全員をベトナムに派遣する予定となっております。こちらもこれまでの事業と同様、市の補助といたしましては2分の1の補助、もしくは全額の補助ということになっております。事業内容ですけれども、5日間の派遣となります。滞在中は現地の企業を見学したり、史跡の見学、それから現地学生との交流等を行います。
 以上が、富士宮市が中高生を対象とした国際交流事業ということになりますけれども、中高生にとっては実際に英語を使う機会というのは貴重になります。外国の方と実際に話をするということはなかなかできない体験になりますので、こういった事業はとても重要なのではないかと捉えて、実施をさせていただいております。また、中学生、高校生というのは、多くの物事を吸収できる時期だと思います。そういった時期に海外に行くことで、今まで自分の中になかった視野を持てることになると思いますので、将来への自分の選択肢を広げることにもつながるのではないかなと思っております。
 いずれにせよ、より多くの学生に国際交流の機会を提供できるように、姉妹都市、それから友好都市との関係を良好に維持しながら、引き続き多くの事業を実施していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

(市長)
ありがとうございました。それでは、事務局からの説明が終わりました。
 ここで、先ほど授業をしてくださいました先生にお話をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。先ほどはありがとうございました。

(上野小学校教諭)
 私からは、2つの柱でお話しさせていただきます。1つ目は、英語によるコミュニケーション能力の育成を目指した授業づくりについてです。先ほど見ていただいた授業は、レッツ・メイク・アワー・メモリーアルバムと題して、卒業を控えた小学6年生が学校生活を振り返って、過去形を使って思い出を伝えるということを単元の目標として取り組んでいきます。そこで、授業では過去形を使って、見たものや楽しんだこと、食べたものなどを伝え合いました。
 児童のコミュニケーション能力を高める活動の一つとして毎時間取り組んでいる授業序盤のウォーミングアップクエスチョンとか、ペアで行うスモールトークという1分間のトークがあります。ここで前回の復習をしたり、その日の学習につながる表現を使ったりすることで学習の定着につなげています。今年の6月に小中合同研修会がありまして、上野小の外国語教育を受けた上野中学生の1年生の授業を参観しました。そこでは、自己紹介スピーチでの質問のやり取りが何往復か続けていたりするなど、6年生のときに学んだ表現を生かして発表する姿が見られました。
 2つ目の柱として、外国語ハンドブックについてお話しさせていただきます。2学期の終わりに5年生が地域のお勧めを発信する活動を、ハンドブックを用いて説明文を書きました。今日の授業のコミュニケーションタイムには、この部分を活用して、私からまずはどこへ行ったでしょうというクイズをして、見たものや楽しんだことを伝え合う活動をしました。外国語ハンドブックには、教科書には載っていない単語も載っており、表現の参考にしている児童もいます。上野地域ですとお寺がありますので、お坊さんになりたいってどうやって言うのだろうと思ったこどもが、こちらから僧侶という単語を探して、I want be priestと亜発言していました。また、地域のお勧めを発信したり、観光に来た外国の方とコミュニケーションを取ったりするような場面を想定して作成しているので、授業においてもそのような状況を設定や場面をつくって活用しています。学習表現やその時間のアクティビティーに合わせた使い方が可能なのが魅力です。
 こちらを参考に、6年生の修学旅行に引率したのですが、その際に外国語ハンドブックを参考に、話しかけてみようということで自己紹介文だったりとか、日本についての質問をしたりということを6年生が外国の方とコミュニケーションを取ることもできました。外国の方に声をかけられた際に、英語を使って話してみようという、背中を後押ししてくれる、お守りのような存在になっていると感じています。
 これからも外国語ハンドブックやICTを活用したりしながら、英語によるコミュニケーション能力の育成に向けた授業づくりに励んでいきたいと思います。本日はありがとうございました。

(市長)
 どうもありがとうございました。とても楽しかったです。
 それでは、富士宮市における英語教育並びに国際交流事業につきまして、皆様から御意見や御質問を伺います。

(教育委員)
 授業では、こどもたちがメモを取っていなかったので、どうなるのかなと思っていたのですが、後で自分たちのクエスチョンを書いて、そしてスモールトークに使うという展開だったので、うまく構成されていると感じました。
 先ほど説明がありましたが、富士宮市はこのハンドブックがあるというのが非常に特徴だと思うのです。皆様も御存じで、改訂版が出るところまで来ているわけで、2次元コードによる利用もこれから進むだろうと思います。そういった中で、今日の資料の中に村山ニンジンの紹介のページがあります。こどもたちが自分たちで作成したり、絵を書いたりしている様子を見せていただきましたけれども、村山ニンジンのほかに、学校ごとにこういったものを作っているところもあるのでしょうか。

(学校教育課職員)
 ハンドブックのデータからこどもたちが入力できるような形をつくりまして、1人1台端末に配付しました。
 富士根北小学校のこどもたちがハンドブックを使う際に、富士根北小学区のものに関する記載が少ないということで作成しました。

(教育委員)
 外国語ハンドブックには村山ニンジンの記載がなかったのですが、そういう理由だったのですか。よく分かりました。これが授業でも有効に使われているというのがよく分かりましたし、大変うれしい次第です。
 それで、定例会でも話をしましたが、私たちもこのハンドブックがどのように使われているかということが今日よく分かりましたが、それが今まで伝わっていなかったと感じていました。特に、11月議会で外国語に関する質問が出たときに事務局が、外国語ハンドブックを使ってこどもたちに英語教育をしていますということをぜひ議員にも伝えるべきだったのではないかと質問もしました。このように、上手に活用している教材を独自に持っている富士宮市の教育について、市民にはもちろん、議会にもぜひ伝えていただきたいです。これは私たち教育委員会の仕事ですが、ぜひよろしくお願いします。
 それから、もう一点、ALTがいることで、非常に先生が能力を発揮されているということもよく分かりました。その中で、タブレットを使うことについて、特別のお考えがあればお聞きしたいと思います。そう申しますのは、他の教科では、紙よりもむしろタブレットを用いていまして、それは教育長がおっしゃるリデジタルとリアルの融合を図っているわけですが、今日の授業ではタブレットを使うシーンはありませんでした。そういったことについて、お考えがあればお聞きしたいと思います。

(市長)
 それでは、この場でのやり取りで御回答いただく形でお願いします。


(上野小学校教諭)
 なるべく英語のコミュニケーションでは、顔を合わせて表情を見ながら話ができるといいなと思っていますので、今回紙を用いたのですが、頭に入れておかなければいけないことがない場合は、なるべく紙を持たずにコミュニケーションを取るようにしています。そのため、メモ程度に紙は持つという形で今日はプリントを使いました。
 タブレットですが、翻訳機能がついていて、作文する際にはすごく便利で、こどもたちは調べ学習には使うのですが、知らない単語を使ってしまうので、翻訳機能に出てきた単語が読めないことがあったり、読めても相手に伝わらないという状況が結構生じてしまいます。そのため、分からない単語があった際に調べてみる。もしくは、ALTにもう少し簡単な表現を聞いてみる。伝わりやすくするにはどうしたらいいかを考える。そういった部分でタブレットを使うべき時間とコミュニケーションのためにあまり使わないという時間と分けて使っています。

(教育長)
 中学校での使い方は説明できますか。

(学校教育課職員)
 小学校では書くことに慣れ親しんでいるのですが、中学校では書くことも大切な能力になってきます。こどもたちにとって書くことはレベルが高い活動になってしまうので、まず一つとしては話す活動を通して、今日学んだことや自分の使いたい表現を書きためていきます。それから、ほかの子の意見を見てみたいときに、これまでは友達のノートを実際に見る形でしたが、タブレットを使えばすぐにほかの子の意見が一気に見えるようになっていますので、それを参考にして、自分のタブレットに書きためるという形で、単元の最後に大きなまとまりのある文章を書くときには、今まで自分が書きためてきたものを使って、紙に書いたり、タブレットに打ち込んだりということができるので、そのような形でタブレットを使っていることが多いと思います。

(教育委員)
 タブレットで打つことと実際に書くことの違いについてです。やはり、書くことも大事なのだと思います。これは、これからのAIの利用方法にも関連して、様々な課題がありますが、ぜひフェース・トゥー・フェースの対話、それから手で書くことなどについて、ぜひそういう機会を増やしていただきたいと思います。

(市長)
 先ほど委員の話の中で、外国語ハンドブックを議会や市民にお知らせしたらどうかということで在庫はありますか。教育委員からの要望もありますので、議会には配付をしてください。

(教育委員)
 授業を見て、児童が楽しみながらやっているという光景を目の当たりにさせていただきました。これも6年生の授業だから感じるわけですが、その前段である3年生からの基礎がどのような形でこの6年生に受け継がれているかというところが見えたような気がします。
授業の中で、先生とALTのコミュニケーションを見ながら、児童が身振りや表現を学んでいくという部分については、こどもたちが英語に対して親しみやすさを感じているのだと思いました。今回、文法も大変重要な部分ですが、コミュニケーションを児童が楽しく思えるような基礎をつくるということはとても重要なことではないかと思いました。
 そのような中、今回、ALTの詳細についてお聞かせいただきたいと思います。

(学校教育課職員)
 市内にALTは5人いまして、先ほど見ていただいたALTは、オーストラリア出身の方です。そのほかイギリスの方が2名、フィリピン出身の方が2名、計5名で市内の小中学校を月に2、3回程度巡回していただいております。ALTの方々は、母国語が英語であることと大学を卒業していることを条件として、市の会計年度任用職員として雇っています。

(市長)
 ほかにございますか。それでよろしいでしょうか。
 それでは、続いて、お願いします。

(教育委員)
 ありがとうございます。今日は、久しぶりに先生の授業を見せていただいて、とても感動しました。校長がこどもたちの感想や振り返りで、全員が英語の授業は楽しいという結果だったというお話しをいただいて、本当にうれしく思いました。こどもたちは少し臆するような面もあるのですが、授業の中で楽しく交流している姿を見て、とても一日ではならず、積み上げができていてすばらしかったです。
 今回の会議が意味のあるものにつながっており、また、国際交流事業の御説明もいただいて、こどもたちが学ぶ目標や出口が身近に感じられるような事業を数々用意してくださっている行政の皆さんに非常に感謝したいと思います。
 また、外国語ハンドブックについては、非常に学校では活用されていて、当時、大宮小学校でもこのハンドブックに触発されて、自分たちで地域に根差したハンドブックを作ってみようということで、こどもたちの手作りしたものを商店街に配って歩いたり、浅間大社に行ってお話ししてみようという活動も地域の皆さんにほほ笑ましく支えられて、とてもハンドブックに触発されて学習が広がっていくという姿をたくさん見させていただいたので、本当にありがたいなと思っています。
 今日一番驚いたことは、ALTがこどものペンの持ち方をストレンジと声をかけて直してくださったのです。ALTが日本の流儀に倣って、意識してさりげなく教えてくださっているのか、それともオーストラリアでもそれはとても大事なことなのでしょうか。あとで教えてください。また、ヒアリングや発音はとても難しいのですが、ALTの発音を身近に聞くというだけで、こどもたちは非常に学習のレベルが上がってくるだろうと思っていますので、また先生方の活躍を一層支援していただけるとありがたいです。
 最後に質問をさせていただきます。最近、学校の授業だけでなく、経済的に余裕のある御家庭については塾などで学習するこどもたちも増えていると思うのです。そういった小学校の6年生から既に差が生じているところを、どのように先生は工夫して埋めていくのか、また、それをどのように中学につなげていくのかについては今の様子を少し教えていただけたらと思います。

(上野小学校教諭)
 おっしゃるとおり、差を感じることはあります。英会話を習っているこどもはやっぱり話すスピードも速かったりとか、単語も授業で扱っていないものを使ったりする児童もいるのですが、私からは伝わるコミュニケーションを目指そうと、一方的に話すのではなく、相手に分かってもらえて、相手が質問を返せるようなコミュニケーションを目指そうということで、相手に伝わらないと感じたときに言葉を言い換えてみたりとか、相手が分かる簡単なフレーズにするにはどうしたらいいのかというのを立ち止まって考えさせてみたり、あとは言葉だけではない、非言語的なジェスチャーを使ったり、例を出してみたり、そうやって相手に伝える工夫をしましょうとこどもたちには伝えて、そこで少しでも差が埋まればと思って取り組んでいます。
 ありがとうございます。感動しました。先生もおっしゃったように、相手意識はすごく会話の中で大事だということですね。

(市長)
 それでは、次にお願いします。

(教育委員)
 今日は、本当にすばらしい授業を見させていただきまして、ありがとうございました。自分がこどもだったら、今の授業を受けたいと感じました。
 初めに、小学校3、4年生における外国語活動の中だと、まずは言葉や文化を知りたいという興味が育まれていき、その後、外国語科の英語に入っていくときに、つまずきが少なくて取りかかりやすく、早くから耳で多くのことを聞いて慣れていると、話すことは難しくても、相手の話は理解できるのかなと思っていて、今回の授業で、そういったことは払拭され、それよりもすごく先に進んでいるなと感じました。
 その中で、発信力の強化や表現力の向上というところで伝えることの大切さが分かる学習が、興味や取組の成果につながって、外国語のハンドブックではそれぞれの場面での導きもあって、それによる成果というのはこどもたちへの自信につながるものだと思いました。
 それから、海外の派遣事業に関して、異国の地へ足を踏み入れるということは、とても五感を刺激させるものであって、本当に若いうちにその経験ができるというのは、その後の人生にとても大きな力になってくるものだと感じています。実際に参加した生徒の中では、海外で勉強したいという希望を持っている子もいるような話を聞いたこともあります。今、世界中で日本人の学生や若者が海外への留学する割合が、各国と比べると低いという内容の記事を読んだことがあるのですが、英語教育の義務化がこのように小学校の中学年から始まったことによって、視野も広がり、海外というものがより身近に感じられるようになるのだなと思います。そのため、本当に当市の国際交流事業は語学だけではなく、見聞を広げることもそうですし、こどもの心を豊かに育てるという意味ではとてもすばらしい事業だと思いました。

(市長)
 それでは、最後に、教育長から御意見いただきたいと思います。よろしくお願いします。

(教育長)
 まず、専科というのは、1つではなく、ほかの学校も掛け持ちで行きますので非常に負担感の高い仕事です。そういう中で、こうやって楽しく授業をやっていただいているということに本当に感謝申し上げます。
 ただ、今後も専科でいるということを教育委員会としては考えていません。担任としても非常に優秀な先生ですので、ある一定の時期でほかの人にも機会を設けるということで、理想としては同じレベルの授業が市内全体どこの小学校でもできるような環境をつくるということが教育委員会の一つの努めかなと思います。今日も、すばらしい授業だったと教育委員の皆さんに評価していただいたのは、教育長として大変うれしいことです。
 それから、今日見て一番良かったのは、ALTと先生の関係です。ALTのAはアシスタントですけれども、これが英語教育の進んでいない学校ではALTがアシスタントではなく、授業を進めるような形で、先生が横にいてこどもの面倒を見る。これだと本来の英語の授業になりません。今日のような授業が市内全体のどこでもあってほしいと思っています。それが市内の学校でできる環境として整った際に、毎時間ALTと2人で授業をするという形が取れたら理想です。ただ、アシスタントという立場の形でないと、なかなか人やお金を投資しても形になりません。それは今後、教育委員会として考えていかなければならないことだと思います。
 最後に、この小学校から中学校に向けて英語教育が接続するような形で、ちょうどこの外国語ハンドブックを最初に作っていただいた先生と改訂版に関わっていただいた先生には、小学校3年生の入り口をどういうふうに考えるのか、それから英語の外国語活動から英語に移る5年生、それから中学校に移る中学1年生、中学校を出る中学3年生。小学校3年生、5年生、これをどのように押さえてプログラムをつくるかということでハンドブックの作成をお願いしました。それで、大学や先進校から資料を取り寄せるなどして、今の形ができています。
 そのときにオーダーしたのは、中学校1年生から3年生のところがオールイングリッシュでできるような環境と先生をぜひ育成してほしいとお願いしました。今日の授業を見て、実際にはそれよりもう少し進んでいて、先ほどの校長のお話のとおり、小学校6年生はほとんどオールイングリッシュで授業ができています。それがそのまま中学校につながるということで、最初に考えていたよりも、上野小学校、上野中学校については先を進んでいるのだと思っています。それが成果に表れて、こどもたちの英語力の調査でも国と随分差があったものがかなり埋められて、あと数年後にできたら国を超えられたらと思っています。本当に先生方に感謝します。
 このプログラムをつくったときに、英検の準2級を取れるような形で、ほぼ同じくらいのレベルの力をつけるということをお願いしました。
 今後、考えていく必要があるのは、小学校3年生になる前の小学校1年生から英会話が実際には始まっています。富士市等では英会話教室にこどもが通うのに、小学校3年生からではなく、小学校1年生から通っていて、英語を聞く耳をつくっています。英語を聞き取る力というのは、今日も見ていただいたとおり、かなり重要になってきていますので、それはどこからつくるかというと、小さければ小さいほどいいそうです。これは、富士宮市の教育の今の課題であります。それにつながるような教育課程や取組をしていくことは、このプログラムがしっかり動くようになったら考えていくということで、特に、若い先生に今後、授業ではなく、教育活動としてどのようにつなげていくのかということを考えていっていただきたいと思っています。

(市長)
 まだまだ委員からいろいろな御意見を伺いたいところでありますけれども、私のほうから最後にまとめをさせていただきます。
 本当に各教育委員から貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。また、本日、英語の授業を見学し、児童の皆さんが英語に慣れ親しみ、コミュニケーションを図る様子が本当によく見られまして、先生にはすばらしい授業をしていただきました。ありがとうございました。あちこちでこういった先生のような授業が展開すると、もっとこどもたちが英語に親しくなるし、また英語をしっかりと覚えるのではないかなという印象を持ちました。
 本日の説明を受け、教育委員会が英語教育に熱心に取り組んでいることが分かりました。今後におかれましても、こどもたちが楽しく英語でのコミュニケーション力を身につけられるよう、授業を推進していただきますようよろしくお願いいたします。
 小中学校の英語教育において、海外交流は重要な位置づけにあります。海外のこどもたちと交流することで英語を実際に使う機会を得られるだけでなく、異文化理解や国際感覚を育むこともできます。私も昨年の10月に友好交流関係都市であります韓国の栄州市へと中学生と共に訪問したり、また先日もサンタモニカ市を訪問し、交流を深めてまいりました。帰国後の報告会では、富士宮市の中学生からは韓国の生徒と英語を通じてコミュニケーションが取れたと、今後も英語の勉強に励みたいなどの感想を聞き、大変頼もしく感じた次第であります。
 現在、世界の共通語である英語の必要性はますます高まっています。市といたしましても、中学生、高校生の海外派遣事業などを通じて、英語の学びの実践に役立つ施策を展開してまいります。
 以上で、本日の議題についての協議は終了いたします。

(教育総務課長)
 長時間にわたり御協議いただきまして、ありがとうございました。
 以上をもちまして令和5年度第2回富士宮市総合教育会議を終了いたします。本日はありがとうございました。

閉会

お問い合わせ

教育委員会事務局 教育部 教育総務課 総務係

〒418-8601 静岡県富士宮市弓沢町150番地(市役所6階)

電話番号: 0544-22-1182

ファクス: 0544-22-1242

メール : e-somu@city.fujinomiya.lg.jp

表示 : モバイル | パソコン

ページの先頭へ戻る