令和6年7月 富士宮市教育委員会定例会(議事録)
2024年09月02日掲載
令和6年7月 富士宮市教育委員会定例会の議事録を掲載しています。
日時
令和6年7月23日(火曜日)
開会:午後1時29分 閉会:午後3時40分
場所
市議会第2委員会室
出席者
教育長、教育委員及び説明のための事務局職員
会議
議事日程
- 第1 会議録署名委員の指名について
- 第2 教育長報告
- 第3 議第27号 令和7年度から令和10年度まで使用する富士宮市立中学校教科用図書採択の同意について
- 第4 報第1号 富士宮市民文化会館リニューアル工事(電気設備工事)請負契約の締結について
- 第5 市議会6月定例会の報告について
開会
令和6年7月定例会の開会を宣告し、会期を1日として決定。
第1 会議録署名委員の指名について
会議録署名委員に、牧野委員及び輿水委員を指名。
第2 教育長報告
- 教育長就任の挨拶
はじめに、就任の挨拶としまして、7月7日より池谷前教育長の後を引き継ぎ、第30代教育長を拝命いたしました望月でございます。7月8日の就任式で次のような挨拶をさせていただきましたので、この場で委員の皆様に御報告させていただきます。
就任の挨拶に代えてということで、私が教育長として特に大切にしていきたいと考える2点についてお話しさせていただきました。1点目は、ウェルビーイングの向上です。私は、6月まで1人の中学校長として自校のこどもたちのウェルビーイング、学校のウェルビーイングの実現に努めてまいりました。これからは、富士宮市全てのこどもたち、全ての学校の幸福追求、ウェルビーイングの向上に力を注いでまいります。
2点目は、学校、家庭、地域、そして行政との連携により、総がかりでこどもを育てていく、こどもが育つ環境をつくっていくということです。現在、富士宮市が抱える多様化、複雑化する教育課題には、教育委員会内各課の一層の連携はもちろんですが、市長部局とも連携、協働しながら、対応に当たってまいりたいと思っております。これまで大切にしてきました富士宮市が掲げるこども像、「富士山を心に夢を持って生きるこども」の育成を目指し、富士宮市のこどもたち、市民の皆様の幸せのために頑張ってまいります。
教育委員の皆様におかれましても、変わらぬ御理解、御協力を賜りたく今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
- 静東教育事務所教育長会の報告
次に、静東教育事務所教育長会の報告になります。7月9日に、令和6年度第2回静東教育事務所管内市町教育委員会教育長会が開催されました。その中で、県教育委員会義務教育課指導班からは、不登校児童生徒の学びの場となっているフリースクール等運営費助成の説明がありました。これについては、4月に補助制度の説明が1度ありました。今回は6月の募集ということで、実際に希望する施設からの申請があって、今後、県が現地調査等を行って、交付の是非を判断していくという流れになっておりますので、御了解ください。
- 中体連大会の結果
最後に、その他ですが、中体連大会が暑い中でしたけれども、6月中旬から7月初旬にかけまして、熱中症対策を講じながら実施されました。結果は、資料のとおりですので、御覧ください。大会中は、骨折、それから熱中症状等は数件ありましたけれども、救急搬送等することはなく、終了することができました。これからは、県大会ということで続いていきますので、引き続き、富士宮市の学校が活躍できますように、また委員の皆様の応援をよろしくお願いいたします。
教育委員報告
全国市町村教育委員会連合会の第2回常任理事・理事会が去る7月5日に東京の学士会館で行われまして、静岡県市町教育委員会連絡協議会の会長として出席いたしました。
内容につきましては、文科省から三つのテーマについて情報提供ということで資料説明がございました。その一つが、優れた教師の人材の確保に向けた取組ということで、現在の教師不足の状況とその要因、それから、今後の人材確保に対する各自治体の取組についての説明でございました。
二つ目も、中央教育審議会の特別部会で審議をされていました令和の日本型学校教育を担う質の高い教師の確保についての説明がございました。この二つのテーマは、現在の教師の人材確保と、それから、教育を実施する上にあっての環境をこれからどうするのかという大変重要なテーマについて話がされていました。これは静岡県に限らず、全国的にそのようなことが求められているということであります。その中でも、中教審の特別部会でまとまった内容では、特に、給特法に基づく残業手当に関する考え方が、従前の方法でいきますと、現在の働き方にマッチしていないということで、10%を超える保障をすべきだという話がマスコミでは非常に強く取り上げられています。しかし、この中教審の特別部会の審議の内容はそれだけではなくて、働き方改革に関する多岐にわたる議論がされているということについて強く説明がございました。マスコミで取り上げられていることだけではなくて、そういったことについても地域の教育委員会の私たちも理解する必要があると感じたところであります。それに関しては、事務局も令和の日本型学校教育という報告書をぜひ読んでいただいて、同じような認識を持って教育行政に協力願いたいと思います。
それから、三つ目のテーマでございました、GIGAスクール構想のさらなる推進に向けてということで、特に、3年間、GIGAスクールを進める中でどのような成果と課題があったのかということ。それから、具体的には、端末の更新時期にある自治体が非常に多いという中で、それをどういうふうに捉えるのかということで説明がございました。
その中で、私が質問した内容を申し上げますと、端末の共同調達についてという内容でございまして、具体的にいいますと、端末を更新するときにOSを変えることも可能だという説明でした。つまり、富士宮市の場合にはクロームをOSとして使っているわけですけれども、富士市の場合はアップルを使っております。そういったことで、最初決めたものが更新期においてまた同じものが使用されると考えていたのですが、国のほうでは、OSそのものも変えることについても検討しろというところまで踏み込んで、その予算も用意しているという話なのです。しかし、現実的ではないなと思ったのは、やっと今3年間でクロームOSに慣れてきて、GIGAスクールが一歩進んできたところで、またそれを今度別のOSにもし変えたら、また現場が混乱するし、こどもたちが大変なことになるのではないかなと思っていたのですけれども、国のほうの回答は、それらについて、県教委で共同調達できるような議論をしてくれという言い方でした。
例えば、教科書についてもデジタル化が非常に進んできている中で、その端末はOSに何を使うのかということによって、こどもに格差が出たりするのは非常によくないことですので、私たちもこれからOSの違いというよりも、コンテンツがこどもたちにとって選びやすかったり、選びにくかったりするようなシステムとか手法にならないように気をつけていく必要があるのだろうということを感じました。個人的な考えとすれば、やはり更新する時期についても、更新した後についても、今まで培ったOSをブラッシュアップするという考えで、できれば変えないでいただきたいと考えたところです。
それから、議事の内容につきましては、役員の異動の報告、それから令和7年度の文教施策と予算に関する要望書の活動、あとは6年度の事業計画、7年度の事業計画案、それから第70回の定期総会における功労者の表彰、その他についての審議をしてまいりました。
第3 議第27号 令和7年度から令和10年度まで使用する富士宮市立中学校教科用図書採択の同意について
(教育長)
それでは、議案の審議に入ります。
「日程第3、議第27号 令和7年度から令和10年度まで使用する富士宮市立中学校教科用図書採択の同意について」を議題とします。
事務局から提案理由の説明を求めます。
(学校教育課長)
議案書の1ページをお開きください。議第27号 令和7年度から令和10年度まで使用する富士宮市立中学校教科用図書採択の同意についてであります。
本案は、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律によって、富士地区教科用図書採択連絡協議会が選定した教科用図書採択案について、本市教育委員会に同意してよろしいか、審議をお願いするものであります。
それでは、まず本日の採択案同意に係る審議の至るまでの教科書採択事務に関する件について御報告をさせていただきます。無償措置法第12条第1項により、教科用図書採択に当たって県教育委員会は採択地区を設定し、本市は富士地区として本市と富士市との共同採択をすることとされております。また、同法第13条第4項の規定に基づき、同一採択地区の市町教育委員会の間で協議を行う方法として、地区教科用図書採択連絡協議会を設けることとされ、両市教育長、両市校長会長、両市保護者代表者の計6名を委員といたしました富士地区教科用図書採択連絡協議会を設置いたしました。
同協議会は、より専門的な知見から教科用図書の調査研究を行うことを目的に、富士地区教科書研究委員会を設置いたしました。本市及び富士市教育委員会から推薦されました校長、教諭等41名の研究委員が、6月11日、13日、18日、20日の4日間にわたり綿密な調査研究を行い、6月28日に調査研究報告書を協議会長に提出いたしました。これを受け、去る7月4日にこの調査報告を資料として、全教科の調査責任者から報告を受ける協議会が開催され、採択案とする1者を種目ごとに選定し、両教育委員会に建議いたしました。
無償措置法では、共同採択地区内の市町教育委員会がこの採択案に同意することをもって、採択が決定することになっております。
以上が、教科書採択までの流れになっております。
(教育長)
ただいまの採択案に至るまでの経緯について、質問はございませんか。
(「なし」の声)
(教育長)
質問がないようでしたら、令和7年度から10年度まで使用する中学校教科用図書採択案について、事務局から説明していただきたいと思います。
(学校教育課長)
それでは、採択案につきまして御説明いたします。
今回発行された教科書は、10教科16種目、142点でありました。これらの教科書について、県教育委員会から示されている教科書研究の視点である内容、組織・配列・分量、生徒への発達段階への配慮に加え、富士地区の生徒が主体的、対話的で深い学びを通して未来を生き抜く資質、能力を育むことができる教科書を、そして富士地区の教職員にとって指導しやすい教科書をといった視点を加え、採択案を決定いたしました。
【国語及び書写】
(学校教育課長)
それでは、まず国語と書写の採択案から御説明いたします。初めに国語です。国語は、全部で4者から発行されました。4者とも読む、話す・聞く、書くの各領域において、3年間で学ぶポイントやスキルが明確に示され、生徒が見通しを持って主体的に学ぶことができるよう配慮されている点が共通しておりました。
その中で採択案として建議されたものは、教育出版の教科書となります。
最初に、2年生の教科書を御覧ください。文学作品の教材の最初には、読むことの手引きとなる「学びナビ」が位置づけられています。4者の中で唯一教育出版だけの特徴になっています。「学びナビ」を確認することで、学習ポイントを事前に把握することができ、生徒が見通しを持って学習を進めることができるよう工夫されています。この「学習ナビ」は、読む、話す・聞く、書くの各領域で設定されており、段階的に読む力を身につけることができるよう配慮されている点が優れています。
次に、説明文教材「水の山 富士山」が掲載されています。さらに、富士山世界遺産センターを建築した建築家、坂茂氏の「紙の建築」が掲載されています。また、富士市にゆかりのある詩人、吉野弘氏も掲載されています。このように静岡県にゆかりのある教材、著者作品が掲載されているため、生徒は教材を身近に感じながら学びを深めることが期待できます。
最後に、「平家物語」、「敦盛の最期」に関して、他者では、「扇の的」を扱っている教科書もあります。同じ「平家物語」でも、「敦盛の最期」は他者への敬意や人としての生き方を見詰めることができる優れた作品となっています。古典作品の魅力を味わることができる作品として、大変よい教材だと考えます。
国語についての説明は以上です。
次に、書写の教科書について説明をいたします。書写の教科書は、4者から発行されました。4者とも書写への興味関心を高め、書写で身につけた力を各教科等の学習や日常生活に生かすことができるよう工夫されている点が共通しています。
その中で、採択案として建議されたものは、教育出版の教科書でございます。書写の学習では、技能の習得に偏りがちなところを、「考えよう」という項を設けています。生徒の話合い活動を促し、協働的な学びを提案している点が、他者よりも優れていると感じます。
続いて、学校生活の様々な場面を想定し、理科の植物観察をまとめる事例や、本の帯やポップを作ること、ポスターを書く活動が示されていて、日常のコミュニケーションや自己表現に書写が役立つことの理解が深まる構成になっているところが優れています。こうした構成は、身の回りの多様な表現を通して、文字文化の豊かさに触れ、効果的に文字を書くことにつながり、生徒を深い学びに導くことが期待できます。
書写については以上です。
(教育長)
それでは、委員の皆様に御意見を伺いたいと思います。
委員の皆様には、事前に各者の教科書を御覧いただいております。傾向や特徴について学ばれていらっしゃると思いますので、お感じになられた点も含めて御意見等をいただけたらと思います。国語と書写ということで説明がありましたけれども、まず国語から御意見がある方、いらっしゃいませんでしょうか。
(教育委員)
どの教科書も、生徒が主体的に学ぶ目標が丁寧に書かれていて、本当にすばらしいなと思い、教科書を拝見させていただきました。
今、御説明をいただいたように、教育出版については「学びナビ」という学習の目標が、こどもたちに非常に分かりやすく書かれているなと思いましたので、地元の静岡県ゆかりの教材が云々というよりも、そういった工夫が主体的な学びにつながっていくということで、非常によいものではないかなというふうに見させていただきました。
(教育委員)
今、説明を聞きまして、今回推薦をした教育出版だけではないのですけれども、文章を作るという行為を身につけるというときに、生成AIを使った文章が実社会には広がってきています。そういったこどもたちに対して文章を作るということと、生成AIで文章を作るということについて、どのように位置づけていくのでしょうか。例えば、教科書の中で、この者はこのように取り扱っているとか、あるいは全体的にまだそこは方針が具体化していないので、各者とも自由な発想で展開しているとか、そういうことがあると思うのですが、その点についてどのように整理をなさっているのかお聞きします。
(学校教育課長)
生成AIの利用に関しましては、昨年の7月、文部科学省から暫定的なガイドラインが出されております。その中に、学校現場でAIを具体的にどのように使っていくのか、使うときの活用が考えられる場面と、適切でない場面というようなことで、具体的に幾つか例示されたものがございました。ただ、暫定的なものでありますので、今回の教科書採択に関して生成AIについて具体的にどのように反映しているのかというところまで確認するといいますか、深くAIについて触れている部分はそんなにないのかなと思います。
ただ、教材の中にはAIで哲学ができるのか、AIに関すること等については少し触れられている部分がありますけれども、それを具体的に使って作文をしようとか、そういったことは具体的なものはありません。このガイドラインを見ますと、あくまでも下書きをする段階でAIを上手に活用することが求められますというようなことがあります。
例えば、読書感想文やドリルなどを自分で取り組む必要があるときには、課題を生成AIで使ってはいけませんであるとか、AIを使うときにはあらかじめ教科書や本などで情報を集めてからそれを使ってみましょうとか、AIをそのまま自分の成果物として使わないようにというような具体的なガイドラインのようなものは出ています。そのため、特に今回の教科書でAIを使って作文をしましょうというようなところは具体的にはないのかなと考えています。
文科省が出しているもので活用が考えられる場面としましては、情報モラルの一環として生成AIの性質を理解するために活用すること、それから議論やまとめをした上で足りない視点を見つけるために活用すること、英会話等で自然な表現や改善、感想文を書いたものなどをたたき台として推敲するために活用すること、高度なプログラミングを行わせるときに発展的に活用すること、これらのことについては暫定的に活用が学校教育の中でも考えられるだろうというふうに例示がされています。次の10年間の教科書採択の場面では、この生成AIのことについてはもう少し色濃く教科書の中に反映されてくるのかなというふうに思っています。
(教育委員)
教育出版の教科書を見させていただく中で、適度なQRコードの配列、それと本の中に出てくる談話も程よくまとめられているということで、大変読みやすい本ではないかなと感じました。
(教育長)
その他よろしいですか。
(「なし」の声)
(教育長)
国語については、今幾つか御意見いただきました。書写について、何か御意見や御質問があればお伺いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
(教育委員)
書写の教科書を拝見させていただきまして、まず小学校から中学校に上がる段階で特に慣れ親しんだ楷書から行書になるというところで、楷書と違う行書を扱っているところがとても分かりやすく表現されてのではないかなと思いました。
それから、日常生活に生かせる内容までもしっかりと構成されているなとも感じました。さらに高校での芸術科、書道への導入になるような部分も扱われているので、その先の発展的なイメージがつかめるような教科書になっていると思いました。
(教育長)
その他、書写よろしいでしょうか。
(「なし」の声)
【社会(地理的分野から地図まで)】
(教育長)
それでは、引き続き社会、地理的分野から地図まで、続けて説明をお願いいたします。
(学校教育課長)
それでは、社会の教科書について御説明をいたします。
まずは、地理的分野です。地理的分野の教科書は4者から発行されました。各者とも地理的な見方、考え方を明確に示すことで、生徒の主体的な学びにつながるよう工夫されています。また、二次元コードの内容も充実していて、生徒が興味関心に沿って最新の情報に触れ、個別最適な学びを後押しする工夫も見られます。
その中で、採択案として建議されたものは教育出版の教科書です。「アジア州」の導入のページを御覧ください。様々な写真やグラフ、地図がバランスよく配置されて、生徒の課題づくりにつながる構成が優れています。また、学習を深めていく視点として、地球的課題が設けられています。SDGsの観点から、持続可能な世界を目指す、容易に正解の得られない問いに、学んだことを生かしながら協働的、探求的な学びに誘う構成も優れています。
続いて、「地理の技」は、地理の学習で身につけた技能や表現力を養うコーナーです。紙テープを使って、地球儀上の方位と距離を確かめるわざは、小学校5年生の社会科の教科書にも掲載されており、確実に知識、技能の定着が図られるような配慮がうかがえます。
最後に、「防災から減災」の資料に富士市の津波避難マップが使われています。こうした身近な地域資料があることで、防災への危機管理意識を高め、自分事として学習に望むことが期待できます。
地理的分野の説明は以上です。
続いて、歴史的分野についてです。歴史的分野の教科書は9者あります。どの教科書も生徒が主体的に学習できるように、学び方やまとめ方などが分かりやすく示す工夫が見られます。その中で採択案として建議されたものは、教育出版の教科書になります。「原始・古代」をご確認ください。掲載されている縄文時代と古墳時代のイラストは、小学校の教科書と同じイラストになります。小学校での学習を想起させ、つながりを持たせる工夫が他者と比較して優れています。また、「LOOK!」は、資料を読み解く上で、この章での問いや学習の見通しに結びつくように工夫されている点もよいと考えます。
続いて、「HOP」、「STEP」、「JUMP」を御覧ください。この3段階で主体的に学び進めることで、「HOP」では知識、理解の定着が図られ、「STEP」では学んだことを生かしながら、思考力や表現力の育成につながる活動に取り組み、「JUMP」では歴史的な見方、考え方を働かせながら、時代の転換点や特色を考察できるような構成になっているところが優れています。
次に、「歴史を探ろう」の特設ページになります。災害に関する内容が豊富に掲載されていることに加え、ページ欄外の「関連」では、地理、公民の学習と関連が図られるよう示されています。このように歴史学習を他の分野の視点から考察できるよう配慮されている点も優れています。
歴史的分野の説明は以上になります。
続いて、公民の教科書を御準備ください。公民的分野の教科書は6者あります。公民的分野では、各者持続可能な社会の作り手としての中学生を意識した作りになっています。また、SDGsや防災、多様化、複雑化する社会への対応など、今日的な課題も数多く取り上げることで、生徒が自分事として捉えられるような工夫が見られます。
その中で採択案として建議されたものは、教育出版の教科書でございます。学習の導入では、必ず「ウオーミングアップ!公民」が設けられていて、生徒の生活体験から学習が始まるよう工夫されています。
また、1時間の学習ページには、必ず「確認!」、「表現!」が設けられ、見方・考え方という言葉が示されている「表現!」は、生徒が学びに向かう視点として大変参考になるものと考えます。また、ページ欄外の「関連」の表記で、小学校の学習や他分野、他教科の単元名が示されていて、教科横断的な学びにつながるよう配慮されていることも優れています。
さらに、「学習のまとめと表現」を御覧ください。「HOP」、「STEP」、「JUMP」を通して、生徒は学習を丁寧に振り返ることができるよう工夫されています。特に、最後の「JUMP」では、SDGsヘの意識づけを図りながら、実社会に見られる今日的な課題について考えることができるように工夫されている点が優れています。
公民的分野の説明は以上になります。
続けて、地図になります。地図は2者あります。2者とも情報量が豊富で、生徒の多様なニーズに対応できるよう工夫されており、社会科の全ての分野で活用できるように編集されています。
その中で採択案として建議する地図帳は、帝国書院でございます。まず、「関東地方」をお開きください。地図帳全体にわたりユニバーサルフォントが使用されており、文字も程よい大きさになっています。また、平地と山地の違いや標高や水深が濃淡によってはっきり示されているため、より立体的に地形を把握することがしやすくなっています。
次に、「沖縄」の地図を御覧ください。沖縄島を見ると、アメリカ軍専用施設が桃色で囲まれています。また、琉球・沖縄の歴史の年表が掲載されているなど、歴史や公民の学習でも活用ができる地図帳となっています。
最後に、裏表紙を御覧ください。コンテンツと内容の一覧が掲載されています。地図や統計資料をはじめ、デジタルコンテンツが大変豊富にあるため、生徒のニーズに併せた個別最適な学びの充実が期待できます。
地図の説明は以上です。
(教育長)
それでは、委員の皆様、社会が3分野、それから地図まで合わせると四つあります。どの分野でも構いませんので、御意見をお聞かせいただきたいと思います。
(教育委員)
地図に関して、以前にも委員から指摘をいただいたことがあったのですけれども、やはり富士宮というと浅間大社が名所になっていますが、その浅間大社が載っていません。こういった地図であれば、やはり富士宮の特色を生かしたというところで、この冊子を変えるわけではありませんが、出版社にそういった要望ができるならば、今後の検討課題としていただければと思います。
(教育長)
御要望ということで承りました。
ほかにいかがでしょうか。
(教育委員)
私は、歴史の教科書の最後の言葉、文をどのように締めくくっているかに非常に興味がありました。近代を歴史の中で学ぶということが、授業では割と軽んじられることが多いのですが、こどもたちに未来をどのように描いていくかという視点で、教科書がどのように語っているだろうかという視点で見させていただきました。教育出版については、隣国と向き合うために歴史を探ろうというところで、武力に頼ることなくという文言があって、その後、環境問題の解決のためには、各国が国境を越えて協力し合うことが求められていると締めくくられていました。私たちは今、戦争や隣国との経済、それから平和を維持するための付き合い方ですとか、本当に間近にいろいろな課題を迫られています。その中で、まずどのようにしたらよいのかという姿勢をこどもたちに語りかけるように、武力に頼ることなくですとか、隣国と向き合うために、環境問題の解決のためには協力し合うことがという文言で締めくくられていることに非常に私は好感を持ちました。もちろん、ほかの教科書もこどもたちに未来をという視点で、きちんと課題を提示してあったので、すばらしいなと思いますが、隣国等というところに焦点を当てて踏み込んで書いてあったのがこの教育出版でしたので、少しそういった点でこどもたちがこれからの未来をどのように学んでいくかということが歴史の中で踏み込んで書かれていることもよいことだと思いました。
(教育委員)
公民に関して、説明にありました「ウオーミングアップ!公民」ということで、生徒が具体的な質問に関して自分の想定する答えをまずつくって、それについて学びを深めていった結果どうだったのか、その考えが深まっていったのかということを確認するようになった構成になっていると感じました。質問は、かなりシリアスな内容についても触れていまして、ひょっとすると先生方の負担が大きいのかなとも感じましたが、生徒との間で緊張感を持って学びを進めていけば、非常に有効ではないかと感じたところであります。
(教育委員)
今、委員が意見を言ってくださったのですが、私も「ウオーミングアップ!公民」のページを比較して、こどもたちが自分の学んだことによって自分の思想の変化を振り返ることできる仕立てになっていて、面白いなと思ったのですが、例えば、自分の国が戦争を起こしたので、他国に兵士として行くことになるなんて書いてあるのですが、日本の現状からまさか戦争をもう一度なんてことになるとは誰も思っていないと思うのですが、30年前に日本が批准した子どもの権利条約等の38条を見ると、16歳を超えたら戦争に行くことができると明記されています。日本はずっと平和を維持して、これがずっと続くのだろうとこどもたちが思っている中で、諸外国の10代のこどもたちに平和や経済に対する考え方をインタビューすると、10代なりにきちんと自分の意見が言えるこどもたちが多いのに比べて、日本のこどもたちは、マイクの前という特別な環境に置かれての回答だからなのかもしれませんが、グローバルな視点で物事を見ていないなと思うことがとても多いものですから、学校の授業の中で真剣にこどもたちが自分事として公民を考えていくということはとてもすばらしいことだと思って見させていただきました。
(教育長)
公民の御意見をいただきましたが、地理的分野でお感じになった点や御質問したいという方はいらっしゃいますか。
(教育委員)
地理に関して、富士市の沼川周辺の田子の浦港も含めた部分が教材となっているということで、非常にいいことだと思います。
特に富士、富士宮に関しては、津波についてはほかの地域に比べて認識が弱いのではないかと感じますが、実はそうではなくて、駿河湾が一番収束する田子の浦というのは、沖からの波が非常に収れんしやすいということで、ちょうどいい教材がここに表れています。そのため、富士市の問題だけではなく、富士宮市にとっても非常に大きな問題として捉えることができるのだろうということで、こういう教材があるということは非常に富士・富士宮地域としては、この教科書を利用することがこどもたちにとってプラスだと感じました。
(教育委員)
全体に関して、教科書の使い方の説明がとても分かりやすくて、先ほど説明にもありました「LOOK」、「THINK」、「TRY」の部分でも考え方の段階をつくることができて、学びやすいのではないのかなというふうに感じることができました。
(教育長)
それでは、よろしいでしょうか。
(「なし」の声)
【数学】
(教育長)
それでは、次に数学について説明をお願いいたします。
(学校教育課長)
それでは、数学について御説明いたします。
数学の教科書は、7者から発行されました。各者とも生徒が1人1台端末を活用しながら、より分かりやすく学習できるよう、アニメーションや動画教材が豊富に用意されるなど、デジタルコンテンツの充実が図られています。また、数学と身近な話題、実生活を結びつけた教材が取り入れられています。
その中で採択案として建議する教科書は学校図書でございます。学校図書の教科書の比例と反比例のページを御覧ください。「説明する力をつけよう」のバーで意識づけがされており、ページ全体にわたって生徒のイラストと吹き出しで対話的な学びを促しています。
次に、「作図の利用」の学習のページを御覧ください。学習の導入に当たる「Q(クエスチョン)」には、問題に対する気づきや疑問が生徒のイラストと吹き出しで示されています。この吹き出しと言葉を生徒が共有することで、生徒の思考が学習課題に向かうように工夫されているところが優れています。
さらに、平行線の作図から等積変形の問題を御覧ください。この等積変形の問題は、小学校5年生の三角形の面積で扱っており、学校図書のみ1年生で取り上げています。
また、方程式の学習に小学校で学習した不等号を用いた不等式を取り上げ、等式の理解を深められるように工夫しています。
このように小学校での学びに触れつつ、数学的な見方、考え方の深化を意識した配列は、生徒が理解を深める上で大変効果的だと考えます。
数学の説明は以上です。
(教育長)
それでは、委員の皆様方、数学についての御意見を伺いたいと思います。御意見、御感想、御質問いかがでしょうか。
(教育委員)
数学の教科書に関して、1点、私はノートの使い方、作り方がこどもにどのように説明がされているか非常に興味があったので、見させていただきました。
他者では、振り返りや感想の概念がないものもありましたので、今、自分の思考を自分なりにきちんと足跡として残していって、それを振り返る、もしくは思考を感想として残すということの積み上げが、やはり数学的な思考を育てる上でも非常に重要だと考えていますので、学校図書の教科書については感想と、丁寧にノートの使い方が巻頭にありましたので、継続してそういったことを教員も大事にして授業してほしいなという願いもあって、よいなと思いました。
(教育委員)
学校図書を見させていただきまして、徐々にステップアップしていくという流れで、それが大変いい部分とQRコードの使い方もその中でうまくまとまっているのではないかと思います。比較的ステップを踏む中においては、いい教科書ではないかと思います。
(教育委員)
学校図書の内容を見ると、発展、高等学校と書かれています。説明があったように、小学校からの振り返りなどについてQRコードで遡ってみるような案内がされておりますので、高校へ向けた発展的な考え方がここには書かれているということで読ませていただきました。もっとたくさんあればもっといいと思ったのですが、教科横断的ではなくて、垂直方向へのこどもたちの興味といいますか、展開についても配慮されている教科書だと感じたところです。
(教育委員)
それでは、数学についてはよろしいですか。
(「なし」の声)
【理科】
(教育長)
続きまして、理科についての説明をお願いします。
(学校教育課長)
それでは、理科について説明を申し上げます。
それでは、理科の教科書について説明を始めます。理科の教科書は、5者になります。各者、科学的な探求のプロセスを大切にした学習を進められるよう配慮されています。また、コラム等の充実により、日常生活や社会との関わりの中で科学を学ぶ楽しさや有用性を実感できるように構成されています。さらに、二次元コードが多数準備され、個別最適な学びを十分に支える工夫が各者されています。
その中で、採択案として建議する教科書は啓林館になります。「探Q実習」のページを御覧ください。「探Q実習」では、生徒が仮説を立て、主体的に学習に取り組めるような構成がなされています。生徒の対話例では、理科の見方、考え方に気づくヒントが示されており、探求的な学びが充実するよう配慮されています。
次に、「みんなで探Qクラブ」を御覧ください。「みんなで探Qクラブ」は、これまでの学びを基に、日常生活の中の疑問から学びが深まるように工夫されています。このように単元の最初と最後に探求学習を位置づけた構成は、理科の見方、考え方を用いて探求する力を育てる上で、大変効果的だと考えます。
続いて、「物質」の学習の導入ページをお開きください。単元の初めに「学ぶ前にトライ!」があり、日常生活の中から単元を貫く問いが示されています。生徒の興味関心を引き出すとともに、生徒に見通しを持たせる工夫に優れています。
最後に、デジタルコンテンツについてです。生徒の学びを深めるためのシミュレーションソフトや実験動画、資料映像などが他者と比べ大変充実しています。生徒や授業者にとって、授業や家庭学習など様々な場面で活用が期待できるものになっています。
理科の説明は以上です。
(教育長)
それでは、委員の皆様、理科についての御意見、御感想、御質問等を伺いたいと思います。いかがでしょうか。
(教育委員)
こどもたちの発達の状況によって、小学校の低学年から高学年、それから中学校に進むにつれて、理科が嫌いになるという話がよく言われます。それは、様々な分析をされていますけれども、小学校1、2年の頃は生活科、それから理科になって、それから科学になっていくということで、自分たちの生活や自分たちが肌で感じる自然から、学問がだんだん離れていくと分析する学者もいらっしゃるぐらいなのです。
こどもたちが理科から離れるということは非常に危機的であり、よろしくないと思っていまして、そういう点で見ますと、啓林館の教科書については、こどもたちが五感で感じてきたものをそのままうまく利用していると感じました。平たく言うと、化学式を丸暗記するとか、あるいはそれを使って計算をするところはあまり強要しないようにして、こどもたちが興味を持ったところ、例えば自然だったり、あるいは食べ物だったり、季節だったり、そういったところからつなげて展開していると感じたものですから、非常にこどもたちの発展を考えながらうまくできている教科書だと感じました。
しかしながら、これもやっぱり先生方が理科嫌いな子をつくらないというスタンスでこの教科書を使っていただくと、うまくいくのではないかと思いました。
(教育委員)
理科について、実験等を含めて危険対応や安全への構えがどのように表記されているか注視させていただきました。ほかの教科書では、非常にこどもにも分かりやすく危険なときにはこのように身を構えてとか、机の下に伏せてということが具体的に書かれているものが結構あったのですが、当初、啓林館についてはそういったものがあまり濃くないのかなと思って見させていただいていただきました。しかし、実験のスキル等の中に非常に注意事項がマークのようについていて、具体的に言えば、ガラスが割れるのを防ぐため、水を少し入れておこうとか、水素と酸素の混合気体に火を近づけると爆発するので気をつけるとか、漠然と注意を促すのでなくて、そのページごとに非常に具体的に安全への配慮が書かれているので、教員も一緒にこの教科書で具体的にどのような危険が想起されるものかということが分かるものかなと思って見させていただきました。
(教育委員)
今、委員が述べられましたが、器具の取扱い方や安全性が最初に書かれており、理科や科学に接するための流れがよくできていると思います。その中で問題形式ですとか、目盛りの見方、若干の誤差が生じないような形での見方も記載されていますので、指導する側としてもいいと思います。
(教育長)
その他よろしいでしょうか。
(「なし」の声)
【音楽(一般、器楽合奏)】
(教育長)
それでは、続きまして音楽、音楽は一般と器楽合奏2つがありますので、続けて御説明お願いします。
(学校教育課長)
それでは、音楽(一般)の教科書について説明いたします。
最初に、音楽(一般)の教科書について説明いたします。音楽(一般)の教科書は2者ございます。学習の進め方、学び方が明示され、苦手意識のある生徒も見通しを持って楽しく学習できるような工夫が見られました。
その中で採択案として建議する教科書は、教育芸術社でございます。1年生の教科書の「学びのコンパス」のコーナーを御覧ください。「学びのコンパス」は、学習手順が番号で示され、さらに補助的な発問や考える視点がイラストと吹き出しによって示されています。グループでの対話的な学びや対話的な学びを基にした活動を提案し、仲間と音楽を評価したり、よさを共有したりしながら学びが深まるように工夫されているところが優れています。さらに、発展的な学習として「深めよう!」が位置づけられ、より深く学ぶためのポイントが具体的に示されています。
「学びのコンパス」は、3年生まで系統的に配置され、音楽表現に必要な技能を段階的に身につけられるよう構成されている点が優れています。さらに歌唱曲、資料映像、創作ツール、ワークシートなど、学習をサポートするデジタルコンテンツが各ページに準備され、音楽に苦手意識のある生徒の個別最適な学習を十分に支えることが期待できます。
音楽(一般)の説明は以上です。
続いて、音楽(器楽合奏)について説明をいたします。器楽合奏の教科書を御準備ください。音楽(器楽合奏)の教科書は2者ございます。2者とも音楽を愛好する心情を育むために様々な音楽文化と豊かに関わるための教材や学習活動が設定され、加えてデジタルコンテンツの活用により、学びを充実させることができるようにしているところが両者共通しています。
その中で、採択案として建議する教科書は、教育芸術社でございます。リコーダーの導入ページをお開きください。他者と比較し、楽器の構造や基本的な奏法について、写真やイラストで分かりやすく解説されており、楽器についての知識も豊富に取り上げられています。また、姿勢と構え、タンギングを見開きにわたって詳しく説明しています。富士地区では、多くの学校でアルトリコーダーを教材として取り扱っていますので、生徒、教師に適した教科書だと考えます。
さらに、音楽(一般)と同様に「学びのコンパス」があります。この「学びのコンパス」では、演奏方法の違いにより生徒が感じたことについて、話しあいを通して、学びが深まる場を用意しているところが優れています。
音楽(器楽合奏)についての説明は以上になります。
(教育長)
音楽についての説明がありました。委員の皆様、音楽について御意見、御感想、御質問を伺いたいと思います。いかがでしょうか。
(教育委員)
器楽について、富士、富士宮地区のこどもたちはリコーダーを中心に器楽を学んでいるということがありますので、そこに適応した教科書という意味で今回の選択でよいと思います。そのほかにも同じ器楽の教科書で、付録にはギターのコード表もついていまして、コードを使って音楽を表現するということについても非常に分かりやすくなっているのかなと感じました。簡単な曲ならば、リコーダーでもギターでも弾けるようなこどもたちがたくさん育ってくれると大変うれしいと思います。
(教育委員)
本当に幅広い音楽を取り入れて扱っているという印象がありました。器楽の教科書に伴奏と書いてあるQRコードがあって、ここまで確認しなかったのですが、この伴奏を使って個人でも音楽を楽しむ、自分で楽器を演奏して楽しむことができ、そういう部分で広がりが持てるのではないかなという印象を持ちました。これはそういうQRになっているのでしょうか。
(学校教育課長)
そこは、主旋律を弾くと、伴奏が合わせて弾いて、練習ができるような作りになっていると思います。
(教育長)
いかがですか。よろしいですか。
(「なし」の声)
(教育長)
それでは、これは一般のほうと器楽合奏とつながりを持たせてという部分がありますので、今の器楽の皆さんの御意見が参考になるかと思います。
【美術】
(教育長)
続きまして、美術についての御説明をお願いいたします。
(学校教育課長)
それでは、美術について説明いたします。美術の教科書を御準備ください。
美術の教科書は3者ございます。各者とも図版が大きく、掲載されている作品も迫力があり、生徒の興味関心が高まる作りになっています。デジタルコンテンツが充実し、作品例も豊富であることは、3者とも共通しておりました。
その中で、採択案として建議する教科書は開隆堂でございます。1年生の教科書、風神雷神図屏風のページをお開きください。静岡県立美術館に収蔵されている樹花鳥獣図屏風が掲載されています。静岡県内ゆかりの作品を教科書で改めて鑑賞することで、芸術作品をより身近に感じ、美術を愛好する心情を育むことにつながると考えます。
また、デザインに関する学習の発展資料として、静岡市のプラモデル化計画のオブジェが掲載されています。
また、2年生、3年生の教科書をお開きください。世界遺産と美術というところに、富士宮浅間大社に収蔵されております曼荼羅図が掲載されています。このように静岡県や本市にゆかりのある作品が複数掲載されているため、富士地区の生徒にとって身近に感じる教科書として適していると考えます。
また、同世代の生徒の作品や制作するこどもたちの姿を見ることができるので、生徒は自分の姿と重ねながら、創造的に表現する力を伸ばしていけることが期待できます。
美術は以上です。
(教育長)
それでは、委員の皆様、美術についての御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。
(教育委員)
御説明の中にもありましたが、生活に根差した美術、本当に日常の身近なところにあふれている芸術へのつながりが掲載されていて、鑑賞教材も、それからクロッキー等の人物画を描くときも具体的にどのような視点で書いたらよいかということが具体的に書かれていて、とても面白いなと思って見させていただきました。一番感動したのが表紙でして、触ると凹凸があります。こんな教科書あるのだとすごくびっくりしたのですが、こどもたちも興味深く、恐らく触るということも五感を使って芸術を育てるものの一つにつながっていくのだろうなと思って見させていただきました。
また、説明があったように、生徒作品が多く取り上げられているところも非常に身近で、小学校の図画工作が結果ではなくてその過程、それから材料等の素材から生み出される芸術のイメージを非常にこどもたちは大事にされて育ってきていて、そのつながりが中学校の教科書にも生きているなと思いました。
(教育長)
その他、美術について御意見ありますでしょうか。よろしいですか。
(「なし」の声)
【保健体育】
(教育長)
続きまして、保健体育についての説明をお願いいたします。
(学校教育課長)
それでは、保健体育の教科書について御説明申し上げます。保健体育の教科書を御準備ください。
保健体育の教科書は4者ございます。各者とも生涯にわたって心身の健康の保持増進に取り組み、豊かなスポーツライフを実現するために学習したことを実生活に生かせるように工夫している点が共通しています。
その中で採択案として建議する教科書は東京書籍でございます。東京書籍の教科書は、保健編を先に配列し、熱中症について夏前に学習できるように工夫されるなど、実生活と関連づけて学習できるようになっています。
それでは、「巻末スキルブック」を御覧ください。様々な状況に応じて役立つ20のスキルが整理されており、学習することが実生活に役立つということがよく分かり、興味、関心を持って学習に臨むことがつながる資料としても活用ができます。
次に、自己形成と心の健康のページになります。学習の導入で活用する左上の「見つける」では、生徒の興味関心を高め、学習課題に導くよう、自分自身のことや日常の経験を想起したことなど、教科書に書き込むことができるように工夫されています。
また、「活用する」、「広げる」という項目が設けられ、生徒が主体的に学びを深められるヒントが掲載されています。こうした工夫は随所に見られ、学びを実生活に生かせるよう配慮されている点が大変優れています。
保健体育の教科書の説明は以上です。
(教育長)
それでは、委員の皆様、保健体育についての御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。
(教育委員)
ボランティアで人権擁護委員をさせていただいているので、人権の侵害に関わるところで基本的な人権侵害をしないというためには、やはり正しい知識を得ることがとても大事だということを日々感じています。それで、この東京書籍には、性の多様性について積極的に書かれていて、今3%から8%ぐらい、本や研究書によってLGBT等で悩んでいる人たちが一定数いると言われています。8%ですと、血液型がAB型であるという人間の数と同じくらいになってきますし、5%でも600万人が日本にいるという計算になってくるので、本当に大事なことなのですが、体内にいるときのホルモンのバランスで性が決定されるという体の作りだけではなくて、心ですとか体ですとか、好きになる性だとか社会的な性だとか、いろいろな要素によって性別が決められているのだという医学や科学の正しい知識をここで学ぶということが非常に大事だと思って見させていただきました。
ほかに1者だけ、LGBTと性の多様性を明確に積極的に説明されているものがあったのですが、採択されたものについてはやはり東京書籍の教科書が正しい知識をきちんとこどもたちに、柔らかい形で伝えるページ、仕立てになっているので、指導もしやすいだろうなと思って見させていただきました。
(教育委員)
食や性、予防、健康、安全、生活、薬物に関して、うまくまとまっている教科書だと思います。これを基にめくって読んでいく間にも理解しやすいような形で書かれているので、特に思春期を迎える中では、いい本ではないかと思っています。
(教育長)
その他、保健体育はよろしいでしょうか。よろしいですか。
(「なし」の声)
【技術・家庭】
(教育長)
それでは、次に行きます。
技術・家庭の説明です。技術分野から家庭分野まで、続けてお願いいたします。
(学校教育課長)
それでは、最初に技術分野について御説明いたします。
技術分野の教科書は、全部で3者ございます。各者とも学習する分野によって色分けがされ、さらに学習内容に関する写真やイラストを多く掲載して、生徒が何を学ぶのかが視覚的に分かるように配慮されている点が共通しています。
その中で採択案として建議する教科書は開隆堂でございます。「木工」の「問題解決の流れ」の学習のページを御覧ください。問題発見、構想と設計、製作、成果の評価と改善の四つの手順が大変分かりやすく示されています。
さらに、六つの実習例があり、製作までの流れが具体的に示されています。他者に比べ実習例が豊富であるため、生徒は多様な実習例を参考に自分自身の生活を豊かにする製作に取り組めるよう配慮されているところが、他者よりも優れています。実習の手順が丁寧であることから、授業者においても指導に生かしやすい教科書だと言えます。また、各ページの右上には二次元コード配置されています。各学習において動画や資料など充実しているため、個別最適な学習の充実に役立つ教科書となっています。技術分野の説明は以上になります。
続いて、家庭分野について説明をいたします。家庭分野の教科書も3者ございます。各者ともイラストや写真等を利用し、生徒に学びの道筋を持たせたり、学びを深めるための視点を与えたりすることで、家庭生活において、創意工夫をする力を育むことができるように工夫されています。
その中で採択案として建議する教科書は開隆堂でございます。教科書には、幼児と触れ合う方法が1から5まであり、それぞれの方法に具体例が複数示されています。他者と比較いたしましても、示している方法や具体例が豊富に掲載しているため、教科書を参考にしながら生徒自身が充実した学習計画を立てることができるように配慮されています。
続いて、栄養素の学習の発展のページになります。六つの基礎食品群について、栄養素を見るための実験方法と結果が開隆堂の教科書が唯一写真で掲載していました。本市では、栄養教諭と連携した食育の授業づくりや朝食コンクールをはじめとする食育に力を入れているところですが、本市の生徒に適しているページだと考えます。
最後に、「住生活」に関するページになります。見開き1ページが、日常と災害について考える写真となっています。さらに、8ページにわたって防災に関する事例を紹介しています。地震災害への対応という観点からも、富士地区のこどもたちにはふさわしい内容であると考えます。
家庭分野の説明は以上です。
(教育長)
それでは、委員の皆様、技術分野、家庭分野について、どちらでも構いませんが、御意見を伺いたいと思います。お願いいたします。
(教育委員)
農業に関わる部分が非常に具体的に書かれているということで、実際に授業を展開するときにこのような作業を外でやるかどうかはまた別ですが、技術分野というと物づくりとか、工業関係の生産に目がいきそうな気がするのですけれども、先ほどお話ししました理科の話と同じで、やっぱり農業生産も一つの技術だということで詳しく書かれていて、大変いいなと思いました。
同じ流れでいいますと、工業製品に関する部分、つまり物づくりの部分で考えたときにも、一方ではGIGAスクールで三次元CADとか、あるいはデジタルの非常に進歩が早くて、リアルで物を作る、自分の手を使って、本箱を作るとか、そういったようなことにこどもたちが気づくところがだんだん減ってきています。さらに言うと、三次元プリンターを使えばすぐ物ができてしまうというようなことに興味がいきがちだと思うのですけれども、そこはぜひ引き止めてもらって、実際に作ることの喜び、それがまた新しい発展につながるというところにポイントを置いて、この教科書を展開していただくと非常にいいかなと思います。重ねてですが、そのときに農業も忘れてほしくなくて、それが理科にもつながるということになりますので、横断的なつながりを持った上での使い方をしていただくと、大変こどもたちにとってもプラスだろうと感じたところです。
(教育委員)
男女共同参画の視点で見させていただきました。写真や絵がたくさん掲載されているのですが、家庭科の教科書についても子育てだとか食事だとか、様々な場面でいろいろな年代の人々の関わり方が、本当に当然のことのように描かれていて、とてもいいなと思って見させていただきました。本当にそれぞれの役割があり、私たちは技術を学ばなかったので、本当にこういった教科書を見させていただいて、これからのこどもたちにとてもふさわしい教科書であると感じました。
(教育委員)
家庭科について、富士宮市は朝食コンテストがありますので、この家庭科の教科書の栄養の部分を見ると、こどもたちでも何を何グラム摂取する等のことがとても分かりやすく書かれていますので、料理に挑戦する意欲も出るのではないのかなと感じました。
あと、他者にもありましたけれども、和服の文化に触れるという部分でも、日本のやはり文化の中での取扱い、和服の着方や畳み方とか、そういった部分も紹介されているところはいいなと感じました。
あと、技術も家庭科もそうですが、教科書の右上にいろいろな物の写真と名前を取り上げていて、恐らくこれは身近にあまり手にすることがないようなものでもこういうものだよという紹介しているのではないかなと思って見させていただきました。
(教育長)
それでは、技術・家庭についてはよろしいでしょうか。
(「なし」の声)
【英語】
(教育長)
それでは、英語について御説明お願いします。
(学校教育課長)
それでは、続いて英語の教科書について御説明をいたします。英語の教科書を御準備ください。
英語の教科書は全部で6者ございます。各者とも4技能5領域の活動が単元内にバランスよく配置されています。また、多様な内容を取り上げ、生徒が自分事として考え、英語で発表したり、議論したりする場を提供していることも大きな特徴になります。
その中で採択案として建議する教科書は東京書籍でございます。2年生の教科書の日本の世界遺産を紹介する学習を御覧ください。ここでは、富士山が題材として取り上げられています。生徒にとって、富士山は大変身近な存在であり、富士山学習の学びを生かして英語の自己表現につなげることが期待できます。
続いて、東京書籍の教科書は、各ユニットで身につけた英文を活用して、友達に紹介したり、その話題に対する考えを表現したりする言語活動が位置づけられています。
さらに、「ステージ アクティビティ」を御覧ください。複数のユニットの学習を終えた後には、必ず「ステージ アクティビティ」が設けられています。「ユニット アクティビティ」と同様に、身につけた英文を活用して取り組むことができるので、生徒は学びの積み重ねを実感しながら、効果的に英語を活用する力を身につけていくことが大変優れていると思います。
デジタルコンテンツにおいても、現行の教科書よりも大幅に増え、様々な音声機能や英文法クイズ、英文解説の動画などがそろっています。また、英語の読み上げ速度を調節したり、英文に網かけを設定したりできるなど、家庭学習においても個別最適な学習の充実を図ることが期待できる教科書になっています。
英語の説明は以上です。
(教育長)
それでは、委員の皆様、英語についての御意見をお願いいたします。
(教育委員)
世界遺産富士山を取り上げているということ、それから世界遺産に関する登録についても賛成、反対の意見について表記されていまして、それを具体的に教材として使うことができるとか、富士、富士宮のこどもたちにとっても、身近な問題が取り上げられているという意味で非常にいいと思います。
それから、QRコードで展開をしていきますと、読み上げの話がありましたように、速度とかセンテンスに色がついて、非常に読みやすいと感じています。これは、この教科書だけではありませんけれども、これからデジタル化が進んでいく中で、GIGAスクール構想の実現について、特にデジタル教科書に関しては英語と相性がいいということで、非常に進んだ展開になるということで、こどもたちにとっても非常に有効だと感じています。あと、個人的には地球環境に関していろんな教材が載っていましたので、これも非常に視野を広める意味でいいことだと感じました。
(教育委員)
先ほど御説明のほうにもありましたけれども、QRコードによって音声が聞けるというのは、とても耳を使って、これから発言しなければいけないときにはとても役に立つ教材になるのだろうなというふうに感じました。
それから、他者の教科書もそうだとは思うのですが、英語の歌が掲載されていると思います。こちらの教科書にも掲載されていまして、現代の若者にも人気のある歌手も取り上げられていたので、そういうところでやはりこどもたちの興味関心を引くような内容になっているのではないのかなと思いました。
(教育長)
その他、英語はよろしいでしょうか。
(「なし」の声)
【特別の教科道徳】
(教育長)
それでは、最後になりますが、特別の教科道徳についての御説明です。お願いします。
(学校教育課長)
それでは、特別の教科道徳について御説明を申し上げます。
道徳の教科書は、全部で7者ございます。各者ともいじめ、SDGs、情報モラル、命を重視した教材等が充実しており、さらにいじめや命など重要なテーマは、複数時間にわたって連続して配置するなど、考え、議論する道徳ができるような工夫がされている点が共通しております。
その中で採択案として建議する教科書は、あかつき教育図書でございます。3年生の教科書を御覧ください。教材文「夢へのステップ」では、大谷翔平選手が取り上げられています。生徒の興味関心を高め、生徒の心を揺さぶる教材が大変魅力的であることが大きな特徴です。ちなみに1年生では、フィギュアスケートの羽生結弦選手、2年生では水泳の池江璃花子選手が取り上げられています。このようにあかつきの教科書は、定評のある教材文に加え、新しい教材や生徒の詩なども複数掲載され、資料が豊富で、生徒の価値観を揺さぶる魅力的な教材が際立って充実しています。
さらに、「マイ・プラス」というページが設けられています。教材文での学びを基に、自分事として捉え、体験的な学習をすることで、より道徳的価値の理解を深めていけるよう構成している点が優れています。
各教材には、自分を見詰めて考える、考えを深めるの二つの精選された発問が設定されています。さらに発問の左側に黄色で自分との対話が設けられています。このように生徒がまず教材文と向き合い、道徳的価値について仲間とともに深く考えた上で、自分自身を見詰めて考えることができるよう配慮されている点も優れています。
道徳の説明は以上です。
(教育長)
それでは、委員の皆様、道徳についての御意見をお願いいたします。いかがでしょうか。御感想等でも構いません。
(教育委員)
最後の教科ということで、道徳に限らずですけれども、事前に頂きました資料や新聞報道を見ていきますと、紙ベースの教科書とQRコードを通じて展開するデジタルコンテンツとの関係なのですけれども、文科省のほうでも具体的な教科書検定に当たって、デジタルに関しては基本的に全てを網羅していないという報道がされていると認識しています。どういうことかといいますと、教科書に関しては一字一句言葉遣いから全てを紙ベースはチェックする。しかし、デジタルに関しての部分については各者のコンプライアンス、あるいは企業努力によって適切な内容を利用しているということの概略を見ているだけだというようなニュースもありました。
そういうことで見ますと、特に道徳の場合は、考え方が非常に難しい教科でもありますし、個人的な考えにおいても非常に分岐が多いのだろうと思うのです。そういったときに、今回の教科書について、QRコードはたくさんあるわけではないのですけれども、そういった点での不安というのは、道徳に限らずあるのでしょうか。
(学校教育課長)
QRコードによるデジタル資料の多様性ということですけれども、教科書会社がその教科書の今扱っている内容に沿って、例えば数学でいったら解法をアニメーションでつくったりとか、実験の様子を示したり、そういうようなものも当然ございます。その辺りは、教科書が学習指導要領に沿って製作しているものと私たちは考えていますが、例えば、気象庁のホームページへ飛んで雲の様子を見るとか、そういったようなデジタルコンテンツもあります。そのため、採択が決まった段階で、それぞれ各学校で年間指導計画について、恐らく市内で方向性をそろえて作る流れになっていくと思うのですけれども、そのときに一つ一つのQRコード等について確認をして、上手に活用できるような方向を探っていきたいなと思っています。
富士宮市には、それぞれ市内全体研修会の中で教科領域ごとの研究部会がございますので、そういった中で今後、デジタル教科書の充実ということも富士宮市は先行してデジタル教科書を5教科入れて、各小学校で実際に使いながら研究をしているところですけれども、さらに新しい教科書のQRコードは数も増えましたし、いろいろな場面で使うことが想定されますので、その辺りはまた市内全体研集会の中で各教科領域の研究員、指導員の方々と一緒に研究していって、それを具体的に単元配列表の中に落とし込めるような方向で調整をしていきたいと思っています。
(教育委員)
よく分かりました。つまり使うときの方法や評価を改めてしかるべきところでやっていくということだと思うのです。今回の選定に関わって、QRコードの中身、つまりデジタルコンテンツまで承認しろと言われても、全てを見ることは難しかったです。そのため、デジタルコンテンツに関しては非常に注意をして今後も使っていただきたいし、その中でも問題があったら、ぜひまた私どもに返していただいて、今後の参考にしたいと思いますので、慎重な対応をよろしくお願いします。
(教育委員)
あかつきの教育図書を見させていただいて、非常に好感を持ったのが「マイ・プラス」というページがあることで、挨拶は大事だというのはとてもよく分かるし、学校や家庭でも丁寧に指導していただいているのですが、形から入る挨拶の指導がありまして、なぜ大切なのかとか、そこでつくられる人間関係についてお互いに考え合うようなページが仕立てられているのはとても興味深かったです。また、私たちが常に気にかけていることとして、いじめについて話し合ってみよう、いけないことだよというふうな押しつけの道徳の仕立てではなくて、話し合ってみよう、なぜなくならないのだろうかということが、こどもたちなりに考えていける場の設定があるということは、読み物教材のすばらしさだけでなく、とても大切なことではないかなと思いました。
また、先ほどの保健体育ともかぶりますが、2年生の教科書には、お互いの性の在り方を考えるということで、教室に1人か2人は思い悩むこどもがいるということがデータで示されている以上、肯定的な性の在り方、見方をきちんとこどもたちに教え、男でない、女でないというそのはざまで思い悩む性があるということを認識して、こどもたちにあなたの存在も価値のあるものであるということをメッセージとして伝えることによって、死を意識して思い悩むこどもたちを一人でも救えたらと思っていますので、シンキングというページも設けてくださっていることに非常に好感を覚えました。ありがとうございます。
(教育長)
その他よろしいでしょうか。
(「なし」の声)
(教育長)
それでは、意見なしということで、以上で採択案の説明、教科ごとの質疑が終わりました。
【質疑漏れ・採決】
この際ですので、質疑漏れがありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
(「なし」の声)
(教育長)
それでは、質疑なしと認めます。
質疑が終了しましたので、議第27号について採決をします。本案は原案のとおり御異議ありませんか。
(「異議なし」の声)
(教育長)
御異議なしと認めます。よって、議第27号は原案のとおり可決されました。
第4 報第1号 富士宮市民文化会館リニューアル工事(電気設備工事)請負契約の締結について
(教育長)
それでは、次に「日程第4、報第1号 富士宮市民文化会館リニューアル工事(電気設備工事)請負契約の締結について」を議題といたします。
事務局から提案理由の説明を求めます。
(文化課長)
それでは、報第1号 富士宮市民文化会館リニューアル工事(電気設備工事)請負契約の締結について、別紙のとおり市議会6月定例会最終日に可決されましたので、報告します。
先月の教育委員会定例会にて、同リニューアル工事の建築工事の請負契約について御説明させていただいた際に、電気設備工事、機械設備工事については後日報告させていただく旨を説明させていただきました。
電気設備工事は、制限付一般競争入札で行い、12億4,190万円で栗原・三和特定建設工事共同企業体との契約となりました。機械設備工事については、入札者がいなかったため、入札取りやめとなりましたので、今後再度入札を行います。
以上です。
(教育長)
説明が終わりましたので、質疑に入ります。質疑がありましたらお願いします。
(教育委員)
機械工事に関しての契約予定は今後どうなるのですか。
(文化課長)
機械工事につきましては、9月議会の初めに議案を提出しまして、議決をいただいた後に契約となります。
(教育委員)
3か月ほど遅れるわけですけれども、工程については無理がないように十分配慮を願いたいと思います。
(教育長)
他にありませんか。
(「なし」の声)
(教育長)
質疑なしと認めます。
質疑が終わりましたので、報第1号は報告済みとします。
以上で本日の定例会に付議された議案の審議は全て終了しました。
第5 市議会6月定例会の報告について
(教育長)
次に、「日程第5、市議会6月定例会の報告」ですが、事前に資料はお配りしてありますので、質疑から行いたいと思います。
質疑等がありましたらお願いします。
(教育委員)
小中学校の保健室の使用状況と保健師の配置についてという質問の中でお尋ねするのですが、学校への保健師の配置はというところで、議員の保健師の必要性というところは、具体的になぜ保健師が学校へ配置することが必要と感じられているのか。ここでは、具体的に読み取れなかったので、どうして保健師の配置が必要と感じたのか、具体的に教えてください。
また、同じところで、コミュニティ・スクールの導入が解決に至るかのような文章があるのですが、保健師の配置とコミュニティ・スクールの導入、地域や保護者の方の御協力というところで、若干意味が分からなかったので、少し言葉を添えて説明していただけるとありがたいです。
(学校教育課長)
ありがとうございます。保健師の配置につきましては、今、学校の中では不登校やいじめ、それから心の健康といったことで悩みを持っているこどもたちが非常に多いということで、養護教諭に加えて、さらに保健師という方が配置されることによって、そうしたこどもたちの心のケア、なかなか学校の先生には言えないところのケアをしていただけるような、併せて保護者も含めて指導ができるような配置というのがあったらいいのではないかなということで、学校がより安全、安心な場所になるということの御提案だったと思います。ただ、学校教育法の中で保健師の配置に関しましては特に規定がないものですから、非常にそこは難しいという答弁でした。
最後のところ、コミュニティ・スクールということですけれども、これは後半部にあるように、安全、安心な学校づくりということで、保健師は専門的な知見からこどもたちの心のケアや、そういったことが具体的にできる方ですけれども、もっと広い意味で安全、安心ということを地域総がかりで実現していくということは、コミュニティ・スクールの一つの課題に、一つのテーマになるということで、そういったところでフォローアップをしっかりしていきたいということの意味で、このように最後教育長が付け加えられたかと思っています。
前半は、養護教諭の複数配置についても言及がございまして、養護教諭の複数配置については、これもこどもの数によって決まっておりまして、富士宮市でも今年、こどもの数が減ったということで大富士小学校が2人配置から1人になってしまいました。僅か30人程度減っただけですが、そういった状況になってしまいまして、年度当初に何度も要望をして、30人減っても大変さは変わらないということでお願いはしたのですけれども、難しいというところがございました。そういったことも含めて、恐らくこのような、保健師であれば市で配置できるのではないのというような、そういう温かい気持ちからの質問だったのかなと捉えています。
(教育委員)
ありがとうございました。よく分かりました。
(教育長)
他にありませんか。
(「なし」の声)
(教育長)
ないようですので、以上で質問を終わりにします。
それでは、これをもちまして7月定例会を閉会いたします。お疲れさまでした。
閉会
お問い合わせ
教育委員会事務局 教育部 教育総務課 総務係
〒418-8601 静岡県富士宮市弓沢町150番地(市役所6階)
電話番号: 0544-22-1182
ファクス: 0544-22-1242