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目次
令和8年度 施政方針
令和8年度の施政方針を掲載しています。
1 はじめに
令和8年度の一般会計予算をはじめとする予算関係議案の御審議をお願いするに当たりまして、私の市政運営の基本的姿勢と重点施策を申し上げます。
近年、我が国を取り巻く内外の情勢は、大きく、そして急速に変化しております。
国際社会においては、世界各地で続く資源、領土などを巡る国家間の対立や武力紛争、気候変動による自然災害の激甚化・頻発化、更にはエネルギーや食料問題、国際経済秩序の変化など、先行きの不透明感は一層増してきています。
また、国内に目を向けますと、少子高齢化の進行による地域社会の担い手不足や、医療・介護の需要増、長引く物価高騰により日々の生活への負担が一段と重くのしかかるなど、私たちの暮らしに直接影響を及ぼす課題が山積しております。
その一方で、デジタル化の進展やグリーン社会への転換、地方分散型社会の実現に向けた取組が加速するなど、新たな成長と変革の芽も生まれてきております。
現在の国の政策の方向性は、少子化が社会経済に及ぼす多大な影響を国家的な重要課題として捉え、「こどもまんなか社会」の実現に向けた抜本的な施策を一段と加速させております。
また、経済面におきましても、物価上昇を上回る持続的な賃上げと投資の拡大を両輪とする「成長型経済への完全移行」を強力に推し進めていくなど、次世代に豊かな環境を引き継ぐための強固な意志が、政策の根幹に据えられています。
そのような複雑化する社会情勢の中にあって、市民の暮らしを守り、地域社会を次の世代へつないでいくことは、私たち自治体の責務であります。
また、市民の生活を守るため、変化を的確に捉え、リスクに備えるとともに、機会を確実に活かすことは、自治体の役割であります。
富士宮市では、これまでもそうした様々な課題に対して真正面から向き合い、市民の安全・安心と地域経済の持続性を最優先に、国内外の動向を注視しながら、地域の実情に即した柔軟で持続可能な政策を推進してまいりました。
依然として収束の兆しが見えない物価高騰の現状に鑑み、令和8年度は、第6弾となる「プレミアム付商品券」をプレミアム率150%で発行するなど、これからも、市民生活の下支えを最優先に考えた施策を、強力に展開してまいります。
そのほか、頻発する異常気象や大規模災害に対する備え、子育て世帯への経済的支援の充実、高齢者向け福祉サービスや医療・介護体制の強化、日常生活の負担軽減策の拡充を着実に進めるほか、地域経済への影響を緩和するための中小企業支援や地元産業の振興、地産地消や生活支援事業の強化にも、引き続き取り組んでまいります。
変化の激しい時代だからこそ、確かな現状認識と市民との対話を重ね、国内外の潮流に埋没しない力強い地域づくりを進めてまいります。
2 市政運営の基本的姿勢
私が目指すまちづくりは、市民一人ひとりが、このまちに誇りを持ち、安心して暮らせる持続可能な地域社会を創ることであります。
かつて、モンゴル帝国の祖チンギス・ハンは、「次に来る旅人のために 泉を清く保て」という言葉を遺しました。
私は、この一節こそが、まちづくりの真髄であると確信しています。
私たちのふるさと富士宮は、幾千年もの絶えることのない富士の湧水と共に栄えてきました。
この豊かな自然、脈々と受け継がれてきた伝統、そして先人たちが築き上げた社会基盤は、まさに私たちが受け取った「清き泉」であります。
今を生きる私たちは、この泉を汚すことなく、さらに豊かにし、未来を担うこどもたちという「次の旅人」へしっかりと引き継いでいかなければなりません。
持続可能なまちづくりとは、この泉を清く保ち続けるための終わりなき挑戦であると私は考えます。
令和8年度は、未来を拓く新たな指針となる「第6次富士宮市総合計画」がスタートします。
新たな総合計画では、将来都市像を「富士山を心に 人の和と豊かな自然が織りなす 幸せ感じる富士宮」と掲げました。
富士宮市が目指すべき将来の姿は、本市に住むすべての人がこの地に暮らすことに誇りを持ち、日々の生活の中に確かな「幸福」を実感できる社会を築くことであります。
そこで、令和8年度の本市の市政運営の基本姿勢は、次に挙げる三つを基本の柱に、すべての世代が安心して暮らせるまちづくりにつながる施策を展開してまいります。
一つ目は、市民生活の安全・安心の確保です。
「世界遺産のまち」に暮らすことを市民の幸福へとつなげていくため、医療、福祉、防災・減災体制をさらに充実させ、日常生活の安全・安心を守ります。
また、物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯や高齢者世帯への支援策を強化し、生活基盤の安定に努めます。
二つ目は、地域経済と産業の持続的発展です。
市内中小零細企業や農業・商業・観光産業を支援し、地域経済の活力を高めます。
また、デジタル化やグリーン分野への投資を通じて、外部環境の変化に強い地域づくりを推進します。
三つ目は、次世代を見据えた持続可能なまちづくりです。
こどもから高齢者まで、すべての世代が支え合い、地域コミュニティが活性化する社会を目指します。
また、教育・子育て環境の充実、環境保全や自然資源の持続可能な利用を通じ、未来に誇れるまちを築きます。
『聖なる富士山を心の拠り所とし、豊かな自然を誇りとし、そして「和」の精神で人と人が固く結ばれる』、この理想の姿こそが、市民の皆さまの幸福の源泉となり、私たちの進むべき道標(みちしるべ)となります。
都市の利便性や経済的発展のみを追求するのではなく、生活の安全、福祉や教育、地域文化を重視し、持続可能で人間味のある社会を築くことが肝要であると考えます。
このことを軸に、変化の激しい社会情勢の中にあっても、確かな判断と迅速な行動により、市民の安全・安心や地域の発展の実現を目指すとともに、市民と行政が手を取り合い、未来に誇れるまちを創り上げてまいります。
3 令和8年度重点施策
第6次富士宮市総合計画では、将来都市像に相応しい魅力溢れるまちづくりを進めるために、総力を挙げて取り組むべきテーマを「4つの重点取組」として掲げております。
特に、令和8年度は、第6次富士宮市総合計画の初年度となることから、本市が掲げる将来都市像や基本目標の達成に向けて、各種施策を積極的かつ強力に推進してまいります。
それでは、令和8年度における「4つの重点取組」について、具体的に申し上げます。
まずは、重点取組1「地域の魅力を活かしたにぎわいづくり」について申し上げます。
はじめに、「市民が誇れる品格のある美しいまちを形成する」についてであります。
富士山世界文化遺産の構成資産をはじめとする歴史・文化資源について、引き続き整備を進め、市民の郷土に対する誇りと愛着を育みます。
特に、中心市街地及び白糸ノ滝周辺については、「清流の美」・「空間の美」・「庭園の美」をコンセプトに、美しく品格があり、心癒される空間として整備し、来訪者でにぎわう拠点的地域となるよう、本市のイメージアップを図ります。
具体的には、中心市街地の整備については、「世界遺産のまちづくり整備基本構想」に基づき、富士山本宮浅間大社周辺の整備及び神田川左岸の整備に向けた計画の策定を行います。
また、神田川沿いの宮町5号線拡幅整備のための土地購入及び暫定整備を進めます。
さらに、白糸ノ滝周辺の整備については、『名勝及び天然記念物「白糸ノ滝」整備基本計画』に基づき、白糸ノ滝周辺及び音止の滝左岸景観保全エリアにおける富士山眺望の確保を進めます。
そのほか、史跡富士山の整備については、富士山本宮浅間大社の参道整備の実施設計及び村山浅間神社の修験道・神社エリアの実施設計を行います。
次に、「歩いて楽しめる魅力ある中心市街地を形成する」についてであります。
中心市街地については、空き店舗と空き地への出店及び商店街におけるイベントを支援することで、中心市街地の活性化とにぎわいの創出を図ります。
また、中心市街地の魅力創出を図るため、関係団体等と連携し、まちなかの商業・サービス業の実態やニーズを把握するための調査を行います。
富士宮駅前広場等整備については、景観とユニバーサルデザインに配慮した快適で機能的な空間とするため、ペデストリアンデッキの改修及びタクシー乗り場の整備を引き続き実施します。
次に、「自然を守り活用することで、地域の力を未来へつなぐ」についてであります。
「生物多様性地域戦略」に基づき、自然保護活動団体や市民・事業者と共に豊かな生態系を保全し、育てる活動を進めます。
また、新たに「景観計画」の重点地区となった朝霧高原地域の課題に対してワークショップなどを開催し、より一層の景観保全を図ります。
そのほか、地下水・湧水の保全と公共用水域の水質汚濁防止を図るため、補助対象区域内における単独浄化槽又は汲み取りから合併処理浄化槽への転換に対する補助を拡充し、環境負荷低減を図ります。
さらに、森林環境整備については、森林環境譲与税を活用し、市内の森林整備の推進及び普及啓発、並びに林道等森林施設の改良及び整備を進めます。
次に、「市民の日常の楽しみを創出し、地域活動の充実を図る」についてであります。
地域交流拠点の充実については、南部地区への新たな交流センター建設に向けて、地域との協議を始めます。
スポーツ振興については、スポーツ交流事業として、ドリームバレーボールのイベントを開催し、元オリンピック選手による指導や地元チームとの試合などを実施します。
また、市民テニスコートについては、市民が安全で快適に利用できるよう、人工芝の張り替えと照明のLED化、座席の改修などを行います。
次に、「地域と人の魅力を活かして、観光客の滞在時間を延ばす」についてであります。
観光振興については、観光基本計画に基づく観光ブランディング戦略の構築として、新たに「観光のまち富士宮」のブランドコンセプトを開発し、定着を図ります。
また、訪日外国人観光客の旅行需要を取り込むため、毎年多くのクルーズ船が入港する清水港などの観光拠点での調査やデータ分析を行うとともに、観光マーケティングを推進します。
そのほか、本市の懸案であります宿泊施設等の誘致については、観光客の受入態勢を整備するため、ホテル誘致に係る補助制度の見直しを図るとともに、宿泊事業者に対して中心市街地をはじめとする市域全般にわたる誘致活動を行います。
次に、「富士宮市で暮らす魅力を再発見・再認識する」についてであります。
フードバレー推進事業については、富士山の恵みである豊かな食材を活かしてブランド力の向上を図り、地域経済の更なる活性化を目指します。
具体的には、高品質な牛乳と産出額日本一を誇る鶏卵という本市自慢の食材を活用した「富士宮プリン」など、付加価値の高い特産品の開発及びブランド化を積極的に進めます。
情報発信については、市公式LINEを入口としたスイーツ店等を巡るデジタルスタンプラリーやシビックプライド醸成に向けたイベントなどを行い、富士宮市の魅力を広く市内外に発信します。
あわせて、まちの魅力を多くの市民に知ってもらうきっかけづくりとして、「ウェルネス(心身の健康)」や「女性」をテーマにしたまちの魅力発信イベントを実施します。
文化財の保存・活用については、文化財保存活用地域計画が国の認定を受けたことから、計画の完成シンポジウムを開催し、地域全体で文化財の確実な継承及び保存活用を進めます。
世代を超えて郷土の自然や歴史・文化を学ぶことにより、市民の皆さまに郷土への誇りや愛着を持ってもらうため、また、本市を訪れる人々が本市の魅力に触れるきっかけづくりとなるための施設整備を目指す(仮称)郷土史博物館事業についても、引き続き基本計画の策定を進めます。
次に、重点取組2「若者や女性にも選ばれる地域づくり」について申し上げます。
まずは、「出会いをつなぎ、結婚・出産までを共に育む」についてであります。
結婚を希望する若い世代の出会い・交流を応援するため、異性とのコミュニケーション能力向上等に視点を置いたセミナーを実施するとともに、企業の福利厚生の一環として、勤労者が出会い・交流できるイベントを開催します。
また、結婚に伴う新生活のスタートに掛かる費用を支援する結婚新生活支援事業についても、引き続き実施します。
そのほか、出産を希望する世帯を支援する不妊・不育症治療費助成額の上限を80万円から100万円に引き上げるとともに、保険診療外の治療費についても、その3分の2の助成に拡充します。
次に、「地域が一体となって、子育てを応援する」についてであります。
子育て支援については、0歳から18歳までのこどもの通院や入院時の医療費を助成するこども医療費助成事業を、引き続き実施します。
また、新たに開始する5歳児健康診査については、保護者等の問診による1次健診、その結果支援が必要なこどもへの専門医師による2次健診を行う本市独自の方式で実施し、こどもの特性を早期に発見し、適切な支援につなげます。
産後ケア事業では、「訪問型」・「短時間通所型」の利用対象年齢を2歳までに引き上げるとともに、その回数も増やすほか、里帰りしている産婦支援として、他自治体で利用した産後ケア事業費の払い戻しを始めます。
あわせて、子育て応援ヘルパー等派遣事業についても、利用対象年齢を2歳までに引き上げるとともに、利用時間を100時間に増やすことにより、仕事と育児の両立への支援を充実させます。
そのほか、令和8年度から、食事の提供などを通してこどもの居場所づくりを実施する団体に対し、事業費の一部を支援することで、こどもが安心して過ごすことができる居場所の安定的な確保と活動の充実を図ります。
また、富士根交流センターがオープンしたことから、旧富士根南公民館についてはその一部を改修し、富士根南小学校区のこどもが通える児童クラブとして活用します。
誰もが安全で快適に過ごせる場所、誰もが楽しめる憩いの場所を創出するため、引き続き公園整備を進めます。
具体的には、城山公園の整備については、遊具広場とトイレの施設整備を行い、令和9年度の完成を目指します。
大型複合遊具をオープンした外神東公園については、駐車場の拡張工事を行います。
白糸自然公園については、大型ステージ設置の年度内完成を目指すとともに、未整備エリアの基本設計を進める中で、外神東公園と同規模の大型複合遊具設置に向けた造成工事の設計にも着手します。
そのほか、小泉地区への新たな公園整備についても、事業化に向けた検討を進めます。
公園は、健康増進や地域の交流促進、防災活動拠点など、住民福祉の向上につながる場となるだけでなく、まちの魅力を高め、移住・定住の促進にもつながる重要な場所となります。
市民はもとより、市外からも多くの人が訪れ、元気に楽しく、そして喜びを感じて暮らせるまちを目指して、これからも大型遊具の設置を含む公園の整備に力を注いでまいります。
次に、「魅力的な仕事と多様な働き方の選択肢を提供する」についてであります。
企業誘致・留置の取組については、引き続き新たな工業用地の確保に努めるとともに、各種支援制度により、優良企業の誘致及び既存企業の規模拡大に伴う留置を推進し、地域産業の活性化と雇用の場の確保を図ります。
中小企業等への支援については、富士宮商工会議所、芝川商工会、富士宮信用金庫及び富士宮市の4者からなる「ビジネスコネクトふじのみや」を継続し、起業・創業・事業者総合相談に対して組織連携で取り組みます。
あわせて、中小企業実態調査を実施し、地域企業の現状や課題等を把握するとともに、産業の振興、社会課題の解決につなげます。
SDGsの視点を取り入れて令和7年8月にスタートした「富士山SDGs人材マッチングサイト」については、求職者の登録が好調であることから、求人掲載業務の登録事業者の拡大及び人手不足の地域事業者とのマッチングを進めます。
そのほか、男女共同参画の視点から、経営者及び総務担当者を対象とした働き方改革セミナーを実施し、ジェンダーギャップ解消に向けた普及啓発を実施します。
次に、「若い世代に多様な住環境の選択肢を供給する」についてであります。
移住・定住に向けた取組については、移住相談を通じて移住希望者のニーズを的確に把握するとともに、その情報を関係者間で共有するシステムを構築し、移住希望者に寄り添った支援を行います。
あわせて、移住体験ツアーや地域の人々と関わる機会を創出するなど、官民連携で移住者の増加に努めます。
近年課題となっている空き家対策については、特定空き家等の解体費用や利用可能な空き家の改修費用に対する補助を継続します。
また、住宅リフォーム宮クーポン事業を継続し、市民の居住環境の改善と地域経済の活性化を図ります。
そのほか、市街化調整区域に存在する空き店舗等を利活用し、新たに事業を始める方に対する補助も継続し、集落拠点の機能強化に努めます。
次に、「地域の未来を拓くUIJターンを促進する」についてであります。
UIJターン者就業支援事業については、すべての高校生に対し、「企業紹介ガイドブック」を配布するとともに、企業の情報や仕事に関する内容を掲載したジョブマッチングサイトを活用し、市内事業所の魅力を発信することで首都圏等からのUIJターン希望者の就業を支援します。
また、市内の小・中・高校生に対して企業紹介を行うなど、地元で働くことに対する機運醸成に努めるとともに、市内に事業所のある大手企業にも、地元高校生の積極的な雇用を呼び掛けます。
そのほか、情報発信については、市公式ウェブサイトやSNSなどを活用し、市政情報や本市の魅力を効果的に発信します。
次に、重点取組3「安心して健やかに暮らせる幸せづくり」について申し上げます。
まずは、「地域のつながりを強化し、災害リスクに対する不安をなくす」についてであります。
災害対策への取組については、感震ブレーカー設置に対する補助を継続するとともに、防災マップを活用した出前講座を行うなど、市民の防災意識向上を図ります。
また、災害時において、避難時と避難後の生活に支援が必要となる方々に対して迅速な支援が行えるよう、対象者の情報提供についての同意確認を行うとともに、同意を得た対象者の個別避難計画策定を進めます。
TOUKAI-0事業については、「わが家の専門家診断」を継続し、木造住宅等の耐震化を支援します。
ゼロカーボンシティの推進については、ゼロカーボンシティの実現に向けた市民・事業者の機運醸成を図るため、各家庭や事業所向け創エネ・蓄エネ機器設置に対する補助を継続するとともに、新たにゼロカーボンフェアを開催します。
次に、「暮らしを守るインフラの整備で、安全・安心なまちを実現する」についてであります。
公共施設やインフラの強靱化については、公共施設の耐震化や安全で快適な道路整備に継続して取り組みます。
具体的には、主要な機械及び電気設備についての劣化状況調査を継続し、建築物と併せて計画的かつ効率的な改修を実施します。
また、市道及び橋りょうの長寿命化については、舗装及び橋りょうの安全確保のため、これまでの事後保全対応から一部を計画的かつ予防的な対応へと転換し、修繕費用のコスト削減を図ります。
市民文化会館の耐震化、長寿命化及び環境改善を併せたリニューアル工事については、今年度ですべての工事が完了し、供用開始されることから、オープニングセレモニーをはじめとする様々な記念イベントを順次開催します。
そのほか、こどもたちが安全・安心に学校生活を送れるよう、令和8年度から令和10年度までの3か年をかけて、市立(いちりつ)の全小・中学校の屋内運動場にエアコンを設置します。
東小学校管理教室棟改築工事については、新校舎の年度内完成を目指すとともに、黒田小学校屋内運動場改築についても建設工事に着手します。
あわせて、少子化による児童・生徒数の減少を踏まえ、より良い教育環境を整備し、魅力ある学校教育の実現を目指して、学校の再編にも取り組みます。
中央消防署芝川分署の建設については、造成工事に着手します。
清掃センターについては、焼却施設保全工事を継続し、老朽化した電気設備などの主要機器を計画的に更新することにより、安定したごみ処理体制の維持に努めます。
インフラ整備については、都市計画道路田中青木線及び岳南北部地区幹線道路の整備を、引き続き進めます。
県道清水富士宮線、富士宮芝川線、上稲子長貫線、大坂富士宮線及び三沢富士宮線の整備については、県等の関係機関へ強く要望し、一日も早い完成を目指すとともに、国道469号や新広域道路交通計画に位置付けられた富士富士宮道路の整備促進についても、関係する市町と連携して国・県等の関係機関へ要望してまいります。
次に、「世代を超えて支え合い、地域が一体となって健康寿命を延ばす」についてであります。
健康づくりへの取組については、健康教育や健康相談などを実施するとともに、各種がん検診などを積極的に周知し、市民が健康長寿でいられるように努めます。
また、自転車に触れる機会を提供し、自転車を利用する意識を向上させる取組や、継続してラジオ体操に取り組む自治会に対する奨励金を交付するなど、市民の健康づくりを推進します。
次に、「地域とともに、医療・福祉のネットワークを構築する」についてであります。
市立病院については、保守期限を迎える電子カルテシステムを最新のものに更新するとともに、院内ネットワークの無線LAN化やPHS端末から高機能なスマートフォンへの切り替えなど、病院DXの推進による業務の効率化とサービス向上を図ります。
あわせて、地域の中核病院としての機能と役割を維持し、必要な医療体制を提供し続けるため、高度医療機器の更新にも継続して取り組みます。
また、救急医療センターの安定的運営を確保するための医師確保に向けた取組や民間の二次救急医療機関の医療機器整備に対する助成も行います。
なお、現在の市立病院は、建設から40年が経過し、建物の老朽化対策や病院運営の見直しを検討していかなければならない時期となっています。
今後の本市の地域医療や市政運営にとって大変重要な事業となることから、令和8年度から令和9年度にかけて、施設の長寿命化やリノベーション(大規模修繕)等に向けた施設改修検討業務を実施します。
次に、「安心して住み慣れた地域で暮らし続けられる環境を創出する」についてであります。
高齢者がいつまでも元気に地域で生活できるように、高齢者のつながり・生きがい創出事業を開始します。
具体的には、敬老会への交付金を、77歳以上の方への一律交付から77歳及び88歳の節目の年齢の方への敬老祝金としての交付に見直し、さらにシニアクラブや寄り合い処への運営費補助の増額、地域が実施する高齢者の移動支援や高齢者の集い、親睦イベントに対する補助を新たに設けるなど、高齢者福祉施策の更なる拡充を図ります。
また、地域包括支援センターを中心に包括的な支援を行うとともに、高齢者の困りごとに対し、住民等の様々な人々が参画し、必要な支援が受けられる体制整備を進めます。
そのほか、介護や福祉人材を確保するため、新たに介護サポーター育成支援事業を実施するとともに、障害福祉サービスの相談支援従事者の研修費用を助成し、安心して地域生活を送ることができる環境整備を進めます。
生活交通対策については、民間バス路線の維持と宮バス・宮タクの運行を通して、地域の生活交通を確保していきます。
なお、宮バスについては、利用者の少ない路線を見直すとともに、宮タクの活用を主とした方向性を検討します。
デジタル化の推進については、住民票等のコンビニ交付サービスを拡充し、戸籍謄抄本及び戸籍の附票、並びに税証明のコンビニでの取得を進めるなど、市民サービスの利便性向上を図ります。
また、マイナンバーカードの交付予約システムを導入することで業務の効率化を図ります。
次に、重点取組4「明るい未来を支える人づくり」について申し上げます。
まずは、「協働によるまちづくりで未来を拓く」についてであります。
市民協働の活性化と更なる充実を図るため、市民が自発的に地域課題に取り組む活動の促進及び活動団体への支援を行います。
また、地域の課題などをテーマとした企画作成・プレゼンテーションによる学びを通して、市民活動に携わる人材を育成する「ふじのみや未来塾」を、引き続き実施します。
持続可能な開発目標の理念に基づき、誰一人取り残さない社会の実現を目指すSDGsの推進については、「住んでよし 訪れてよし」・「生んでよし 育ててよし」・「働いてよし 学んでよし」・「出会ってよし 結ばれてよし」の合言葉のもと、次世代へとつなぐ「富士山SDGs」の取組を継続し、地域資源の保全と活用、豊かな自然と様々な産業、文化が調和したまちづくりを進めます。
また、その実現を図るためには何よりも人づくりが大切であることから、富士山SDGs推進パートナー制度や富士山SDGsアワードを通じて、地域課題の解決に向けて多くのパートナー事業者や団体の皆さまとの連携を図ります。
次に、「学びを力に、未来の担い手を育成する」についてであります。
本市の学びの特徴である富士山学習については、地域資源や地域人材を活用し、こどもの生きる力を育みます。
国際化への取組については、友好交流関係都市との都市交流を継続するとともに、グローバル人材の育成に向けて、中学生を対象とした世界にはばたくこどもたち育成事業や、高校生を対象とした未来を担う高校生人材育成事業を、引き続き実施してまいります。
あわせて、若者がイベントやお試し出店等のチャレンジができる若者チャレンジ支援施設「CHILL IN(チリン)」については、市内高校との連携や大学生・地域おこし協力隊による利用拡大を図り、地域の担い手育成につなげます。
次に、「富士宮市の応援団を増やし、共に明るい未来を創る」についてであります。
関係人口の創出については、富士山をはじめ、富士山本宮浅間大社や白糸の滝などの世界文化遺産構成資産、自然や文化、人の営みなどの多様な地域資源を活かした首都圏等へのシティセールスを実施するとともに、地域おこし協力隊の活動などを通じて、地域間交流や地域活性化の充実を図ります。
また、国の「ふるさと住民制度」の導入を見据え、関係人口の多様な関わりを見える化し、地域との継続的な関与を創出することにより、ふるさと納税寄附者や移住・定住人口の拡大につなげます。
次に、「多様性を尊重し、誰もが輝く未来を創る」についてであります。
多文化共生社会の推進については、外国人市民が地域の行事や活動に積極的に参加できる地域づくりを進めるため、「やさしい日本語普及講座」及び外国人向け「日本語教室」を開催するほか、学校での外国人児童生徒支援員についても拡充を図ります。
多様性への理解促進については、障がいや多様性を考えるきっかけとなるための映画観賞会と座談会を開催します。
男女共同参画の推進については、引き続きセミナーや研修等を開催するなど、普及啓発に努めます。
最後に、財政運営についてであります。
令和8年度は、新たな総合計画の初年度として、将来都市像の実現に向けた確かな第一歩を踏み出す重要な年となります。
予算編成に当たっては、市民文化会館リニューアル工事などの大型事業に加え、総合計画に掲げる基本目標を着実に推進するための施策に的確な予算配分を行った結果、当初予算額は過去最高となりました。
しかし、今後は、少子高齢化に伴う社会保障関係経費の増加や、労務単価・資材価格の上昇に伴う施設整備費の高騰、行政のデジタル化に伴う運用保守費の増大などにより、経常的経費は更なる増加が見込まれます。
本市では、こうした様々な財政課題に対応するため、これまでも積極性と健全性が両立したメリハリのある財政運営に努めるとともに、財政調整基金をはじめとする各種基金についても決算剰余金等を活用した計画的な積立てを行うなど、将来の財政需要に対応する財政基盤の強化に努めてきたところであります。
その結果、財政の健全性を示す指標である「実質赤字比率」・「連結実質赤字比率」・「実質公債費比率」及び「将来負担比率」は、現在も全て適正な水準を維持しております。
今後の財政運営につきましても、財政の健全性に配慮しつつ、事業の緊急度や優先度を見極め、限られた財源を効率的かつ効果的に活用していくとともに、事業の選択と集中を図り、中長期的な視野に立った財政運営に努めてまいります。
4 おわりに
孔子の教えに、「近き者説(よろこ)び、遠き者来る」という言葉があります。
まちの真の活力は、様々な統計上の数字のみに宿るものではなく、その本質は、市民の皆さまの「笑顔」にあると思います。
今ここで暮らす市民の皆さまが、日々の生活に安心し、心からこのまちを説び、誇りに思う、その幸福の熱量こそが外の人々を惹きつけ、「遠き者」が訪れ、活気あるまちを創り出していくと考えます。
そして、それこそが、令和8年度から始まる新たな総合計画に掲げた将来都市像「富士山を心に 人の和と豊かな自然が織りなす 幸せ感じる富士宮」であります。
富士山という揺るぎない精神的支柱を「心」に据え、人々の温かな「和」と「豊かな自然」を編み合わせることで、市民一人ひとりが人生のあらゆる場面で「幸せ」を実感できる、そんな未来を市民の皆さまと共に創り上げていくことが、私に託された最大の使命であります。
本年の干支は、「丙午(ひのえうま)」です。
「丙(ひのえ)」は、太陽のような明るさや情熱・強い意志を表し、「午(うま)」は、行動力・スピードを意味し、この組み合わせから、「情熱と行動力で道を切り開く」という意味を持つ年とされています。
市長4期目の締め括りとなる令和8年度は、これまでの努力や準備が実を結び、将来都市像の実現に向けて力強い一歩を踏み出す年にしていきたいと思っております。
孔子は、論語の中で「徳は孤ならず、必ず隣あり」と述べています。
徳のある人は決して孤独にならず、必ず周りに良き理解者や仲間が集まってくる、という意味です。
私は、これまでの市政運営において、常に徳のある人間でありたいと肝に銘じてきました。
その域に達するには、まだまだほど遠いものがありますが、これからも努力すれば、いつかは徳が備わってくるものと信じております。
この言葉を胸に、本年も、このまちの未来に責任を持つ政治を進めてまいります。
市民の皆さま、そして議員各位におかれましては、更なる御理解と格別の御支援を賜りますよう切にお願い申し上げ、私の施政方針といたします。